君の笑顔１０

359 side ﾆｶ ページ29

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社「そちらの社長は何と言っているんだ？」



2「まだ話していません。
僕がここにいてこういう話をしてるってことも
Aも、ジャニー社長も知りません。」



社「……Aは我々の事務所にとって、
これから大きくなっていく期待の歌手なのは
二階堂くんも知ってるよね？」



2「……はい」



社「デビューしてまだ一年も経っていない
まだまだ未熟者の歌手が、いきなり結婚…
しかもアイドルとなんて…
世間はどう思うかな？」



2「わかってます！
それも全部、覚悟の上で
こういう決断をしたので！」



社「Aのファンが
離れていってもいいのかい？」



2「離れません！！
Aのファンの方は…
Aの歌声が大好きなので！！」




俺はアイドルだから、

歌だけを見られるんじゃないけど……



Aは…


歌手だから！！




社「そうだね、
私もAの歌声が大好きだよ。
二階堂くんの気持ちはよく分かった。
…今の言葉、信じていいんだね？」



2「は、はい！！」



社「二階堂くんにまかせるよ。
こっちのことは何も心配しないで」



2「あ、ありがとうございます！！」




絶対に無理だと思っていた

Aの事務所の社長にも、

意外にもあっさりと認められた。





けど、あとから麗華さんに聞いた話。




Aが前に社長と話してたとき

こんなことを言ってたらしい。



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社『また落ち込んでるのかい？』



『社長……すみません、
せっかく事務所にいれていただいて
たくさんお仕事を下さるのに…』



社『Aの歌はみんなに届いてるよ。
Aの歌声を聞いて、救われてる人は
絶対にいるはずだから。』



『……そうだといいです。
私も、ある人達の歌を聴いて
心が救われて、歌手になろうと決めたんです』



社『それで？』



『一度夢を諦めたけど、
励まして、背中を押してくれた人がいた。
私の歌を好きだって言ってくれた人がいた。
だから今こうして、ここにいれることが
私にとっては大きな宝物なんです！』





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それを聞いていた

Aの事務所の社長は、


Aが話してた人が

俺達キスマイのことだって

俺の話を聞いて確信したらしい。




だから、すぐに認めてくれたって

麗華さんから言われてすごく嬉しかった。





麗「ほんと、貴方たちには
ビックリさせられることばっかりね(笑)」





麗華さんは笑って

そう俺に話してくれた。








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