君の笑顔８

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朝、バタバタとニカちゃんを送り出し

私も仕事へとむかった




車の中で麗華さんは、

岩田さんの話とか

乙女になって話してたけど、


事務所についた途端

やっぱりいつもの仕事熱心の

キビキビの麗華さんで尊敬しちゃう…(笑)





麗「A、このオーディション
受けてみる気ない？」




麗華さんが見せてくれた紙は

ドラマのオーディションの紙だった




「ドラマ…ですか？」



麗「そう、歌手を目指す女子高生の役なの。
ドラマの中では歌うシーンもたくさんあるし
歌唱力も重視されるわ。
Aにピッタリだと思わない？」



「私に…できますかね…？」



麗「いつも言ってるけど
Aにやる気があるかないか、
それだけだと思うけど？」




そう、だよね……


やる前からできないって決めつけてちゃ

ダメなんだ…！



何事も挑戦だよね…！





「私…やってみたいです！！」



麗「そうこなくっちゃね！
オーディションは来週。
それまでにこのワンフレーズのセリフ
しっかりマスターしてきなさい」




用意されたのは

けっこう長めのセリフ


頭に叩き込まなきゃ！！






家に帰ってから

さっそく台本に目を通す



私が受ける役は

歌手を目指す女子高生の役


周囲の人から

歌手になる夢を反対され続けるも、


高校の先生だけは

自分の夢を応援してくれて、


いつしか先生に恋をしていた……




という純愛ラブストーリー






って、これ…


私がちょっとだけ夢見てた話に似てる！！



わ〜！

こういうお話し好きだな〜！//





演技が初めての私は

とりあえずセリフを読んでみる




電話をしながら

先生に思いを伝えるシーン




「先生…好きなの……
ぜったいに離れたくない…！」




ありきたりなセリフだけど

感情込めて言わないと絶対受からないよね。




“ 好きなの、離れたくない ”か……



ニカちゃんに思ってるように

言えば大丈夫かな？笑




「好きなの、離れたくない！
好きなの…離れたくない…！」




何度も何度も言い方を変えて練習をする




「好きなの！離れたくないっ！！」




ガタッ




「わっ！びっくりした……」




持っていたビニール袋を落とし

扉のところに呆然と立っていたニカちゃん




集中しすぎてニカちゃんが帰ってきたの

全然気づかなかった…(笑)





それにしても……


何でそんな顔してるの？？





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