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忠実性 ページ10

『 お邪魔しま〜す 』


「 A 」


バタン、と雑に扉が閉められて腕を引かれる。あまり距離がないまま引かれた腕はとしみつの腰に回った。


「 誘っとるやん、そんなん 」


『 わざとだら、 』


「 うるさい 」


無理矢理に頭を押さえつけられ、唇が強く重なる。いきなりしてきたせいですぐに呼吸が苦しくなって胸を何度も叩くけど そんなの気にしん と言わんばかりに長いキスを続けたままあたしの背中が壁に押し付けられた。


「 ずっと我慢しとった俺褒めてよ 」


『 そんなん知らんげ 』


「 はぁ…、シャワー浴びてくる 」


『 うん、ちゃんと汗流してきて 』


「 はあい 」


無駄にドキドキさせられた。誤魔化せたかな、素っ気なく返してみたつもり。としくんの事やからきっとバレとるかもね。でもいいや、最近久しくこういう事しんかったし今日は目一杯甘やかし合おう。


ソファに座って待っていると、10分も経たないうちに戻ってきた。


「 シャンプー変えた 」


隣に座ったとしくんの上に向かい合うように座って首あたりに腕を回して髪の匂いを嗅ぐ。


『 ほんとや、変わっとる。いい匂いだねこれ 』


「 体勢やばい 」


『 だめ。まだ夕方やから我慢して。 』


「 生き地獄… 」


『 ちゅーしよ 』


「 ちゅーはいいん? 」


『 としくんは動いちゃだめ 笑 』


「 ほんっとにやばい…… 」


『 ん、こっち向いて 』


唇を押し当てるだけの幼稚園児でもできるようなフレンチキスを何度も繰り返す。ちょっと長く当ててみたり、自分の唇でとしくんの唇を挟んでみたり、少しだけ深くしてみたり。


さっきみたいに強引なとしくんも好きだけど、今みたいに我慢してルールを守るとこも好き。馬鹿やなあ、守らんでも怒るわけ無いのに。


『 としくん 』


「 ん、 」


また1度だけ口付けて、首に顔を埋める。


『 ふふ、
いつも二人になったらあたし変わるよね 』


「 めちゃくちゃ甘えたになる 」


『 甘えたいもん 』


「 いつも甘えればいいやん 」


『 そしたらまた付き合っとるとか言われる 』


「 言われても仕方無いけどね、
現にこんな風になってるし 」


『 まあたしかに、付き合ってない方がおかしいかも 』


「 だら? 笑 」


『 ……うん、 』


「 …ん? 」


じゃあ付き合おうって、付き合えばいいやんって、言ってほしかったな。


『 ううん、なんもないよ。 』


はやめに言ってね、待てんくなる前に。

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作品ジャンル:恋愛
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なか(プロフ) - 本当に面白すぎます!楽しみに待ってます! (2019年5月5日 10時) (レス) id: d7e95e92ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みぃ | 作成日時:2019年3月5日 6時

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