現実と虚空の世界。 ページ4
私は学校が嫌いだった。
気の合う友達もいないし、周りの子達とも話す内容が全然違ったから。
そうしたら、いつの間にか孤立していた。
別に怖くはなかった。友達がいないからって死ぬわけじゃないし。
でも、好きな子が出来た時に初めて不便を感じた。
友達が居ないから、所謂“恋バナ”ってやつができないのだ。
加えて、それまで本を読むといっても推理物ばかり呼んでいた私には、どうしたら告白が成功するかなんて全くわからなかった。
とりあえず、ラブレターを書けばいいかな…
そう思ってラブレターを書いて、好きな男子の下駄箱に入れた。
私は無知だったのだ。
もうこの時代にそんな古典的な告白は相手にされなかった。
相手にされないだけならまだマシだったのだと思う。
私がラブレターを書いたことはみるみるうちに噂で広まって、気づいた時にはクラス中全員が知っていた。
告白した男子には気持ち悪いと言われ、周りのクラスメイトからは“今どきラブレターとか超ダサい”と嘲笑われる始末。
それからの日々はずっと孤独。
卒業するまでの短い間、クラスメイトからの陰口に耐えれば良いと思った。
幸い頭は良い方だったから、中学は進学校を選んだ。
みんなとは違う中学に行けば、学校も嫌じゃなくなる……そんな甘ったれた感情を抱いた私は、本当に馬鹿だったんだと思う。
進学校と言うだけあって、イジメの内容が変なところでずる賢くなったのだ。
つまり、中学に進んでもいじめは続いた。
今度はクラス中からシカトされた。
きっと私の性格にも問題があったんだとは思う。
今なら分かる。
でも、過去の私はなんで自分だけそんな目に遭うのかが分からなくて。
ひたすらお兄ちゃんの稽古場に逃げていた。
いつの間にか、私は
トラウマは中々消え去らない。→←過去の記憶。(柏木side)
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作者名：勿忘草は浅葱色を纏う | 作成日時：2020年10月21日 16時
