寝起きが悪い日はその後一日中機嫌が悪い。 ページ15
『答えないと……どうなるか分かってますよね……?』
そう言って、枕元に置いていた刀に手をかける。
土方「!?!あーもーなんでテメーら兄妹は揃って寝起きが悪ぃんだ!!
分かった!!話す!!!話してやるからその物騒なもんに手をかけんのはやめろ!!!」
『………はい。で?なんでお姉ちゃんの手を離したりしたんです?お姉ちゃんが土方さんの事を好いていたように、貴方もお姉ちゃんの事を大切に想っていた。
それなのに。いつ会うことが叶わなくなるかも分からなかったのに。なんで手を離してしまったんですか?』
これは純粋な疑問だった。
大切に想っているなら
愛しているなら
手を離してはいけないと思う。
それでも手を離したという事は、それなりの理由があったんだろう。
その理由を聞くまでは、気になって朝も眠れない。
土方「………ミツバには…………見せたくなかった。」
『はい?』
土方「ミツバには…………俺が人を斬って帰ってくる所なんざ見せたくなかった。普通の男と恋して……普通に結婚して………俺の事なんざ忘れてくれりゃいいと思った。………まあ俺が忘れられなかったんだ、そんなの土台無理な話だったんだけどよ。」
驚いた。私が考えていた事以上の事を彼は考えていた。
確かに、私が男だったとしても同じことを言うと思う。
愛する人に、誰かの返り血で真っ赤に染まった服を着た自分なんて見て欲しくない。
愛する人にはいつも笑顔でいて欲しい。
いつも笑顔でいて欲しいのに、自分がそんな物騒な仕事をしていては、愛する人の笑顔は不安と心配で曇ってしまうかもしれない。
土方さんは、愛しているからこそ…お姉ちゃんの手を取らなかったんだ。
でもそれに気づいたのと同時に、私の心には何かモヤモヤしたものが生まれていた。
『土方さんは、私を女として見てないんですね。』
気付いたら、そう呟いていた。
喧嘩をした時はまず謝ろう。(土方side)→←夢見が悪い日は寝起きも悪い。
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勿忘草は浅葱色を纏う(プロフ) - 迷い猫さん» あぁあ!ありがとうございます!!最近全く更新出来てなかったのに読んでいただけて嬉しいです! (2021年10月10日 13時) (レス) id: be40802470 (このIDを非表示/違反報告)
迷い猫 - 面白いです!頑張って下さい! (2021年10月10日 13時) (レス) @page5 id: 639c61a784 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:勿忘草は浅葱色を纏う | 作成日時:2020年10月9日 0時