森川さんの記憶の欠片。 ページ41
俺は何故か森川さんに呼び出されていた。もしかして、また［俺の可愛いAに何もしてないよな!?］的な圧かけられたりしないよな……
森川｢あ！中村君!!やぁやぁ！来てくれてありがとう!!座って座って〜!!｣
顔を上げると、待ち合わせのカフェで森川さんがヘラヘラと手を振っている。まさか、とは思っていたが……マスクも帽子もしていない。かろうじてメガネをしているくらいだ……
｢はぁ…あの森川さん…一応ここ外です……大きな声で呼ばないで……｣
森川｢ああ！ごめんごめん笑なにか飲む?僕は珈琲飲んでたけど。｣
中村｢あ、じゃあ俺も珈琲でお願いします。｣
俺に言われ店員に珈琲を頼んでくれた森川さん。しかしその直後、俺を振り返った彼の顔は至極真面目で…
森川｢今日君を呼んだのはね。知っておいて欲しいことがあったからなんだよ。｣
｢はぁ……｣
森川｢平川君って、一也と付き合い始めるまでかなり悩んでたでしょ?あれ、昔付き合ってた人のことが絡んでてね………｣
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話を聞いてみたところ…昔、平川さんは当時は無名だった俳優業の男性とお付き合いしていたらしい。しかし、その元彼、というのがとてつもなくめんどくさい男だったらしく、ストーカー気質な奴だったのだそうだ。
森川さんは付き合っているのが男、というのは知らなかったそうなのだが、丁度平川さんがその男に詰め寄られていたところを見かけて、声をかけたらしい。
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｢あの、それって……｣
森川｢うん、やっぱりストーカー気質なんだろうな。平川君が自分以外の男性と話してるのが許せなかったみたいでね。ものすごい剣幕で捲し立てて。平川君は優しいから、何も言っていなかったんだけど、僕はあいにくそんな優しい男に出来てないからw 君がやっているのはストーカー行為だよ、これ以上平川君に付きまとうならこちらもそれなりの手はとるよ、ってすこ〜し低めの声で言っただけでしっぽ巻いて逃げていったんだよね。｣
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とても容易に想像出来る図だ……wケロッとした顔をしてドスの効いた声でストーカー野郎を追っ払う森川さんw
｢でも、それでストーカーの彼が居なくなったということと千路君、何が関係あるんです？｣
森川｢…ほんっと君達夫婦は2人揃って鈍いよねぇw…一也はね、平川君が付き合っていたそのストーカー男と似てたんだよ。｣
｢え、似てた…って…｣
森川｢顔とか、なんか頼りない物腰とかがね(＾ω＾)｣
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作者名：勿忘草は浅葱色を纏う x他1人 | 作成日時：2019年12月5日 18時
