職場の先輩と幼馴染が結婚した件について (ページ4)

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羊羹ください　その4 ページ4

ー一也sideー

　そういえば、この人に電話を掛けるのは初めてだ。着拒されてるかもしれないな…あんなグイグイいっちゃったら。
と、思ったら四コール目で出た。

一也「もしもし！」
平川「もしもし？どうしたの」
一也「この間はすみませんでした…」
平川「ううん大丈夫だよ、まぁお酒の勢いってやつだよね」
　声はいつも通りだ。でもあの時に比べて、堅いように聞こえるのは、俺が緊張しているからかもしれない。
一也「あの…信じてもらえないと思いますが、あれは本気です。俺すぐ酔うんですけど、酒抜けるのは早いんですよ」
平川「…………」

一也「困らせてごめんなさい。当り前なんですけど…俺は好きな人は困らせたくないです。
平川さんが嫌ならすぐ身を引きます！でも、1週間、待ってくれって、言いましたよね…あの時」
平川「確かに言いました…。
でもごめんね、まだ答えが出てなくて……」
一也「全っ然大丈夫です！
むしろそっちのがアピールしがいがありますから！」
平川「アピール？ちょっと待って何するつもり」
一也「お休みの日ありますか！？あの、オススメのカフェがあるんです！和菓子メインのカフェです！」
平川「………デートしたいってこと？」
一也「で、デートなんてまだ早いっすよ！ただのお出掛けです！
平川さんは何も考えず、ただ後輩の俺と好きな事して楽しんでくれたら良いんですよ！」
平川「千路くんがそれで良いなら良いけどさ……。ホントに、ただの先輩後輩としてしか付き合わないからね？」
一也「充っっっっ分です！！」
平川「じゃあ木曜日…14時からで大丈夫？」
一也「朝は収録ですか？」
平川「ううん、猫の世話したいから…じゃ、ダメかな」
一也「ダメじゃないデス」
猫＞＞＞＞俺なんですね。大丈夫です。そんな平川さんも好きです。

むしろそんな風に邪険に扱ってくれる方が距離の近さを感じられて良い。仕事で共演する前だったら、平川さんとこんな会話はきっとできなかった。あの時玉砕覚悟で告って良かった。
フラレても良い、二人で出掛けることはできるのだから…。

一也「って俺、めちゃくちゃドMみたいになってないか…？」
森川「一也はドMだよね」
一也「うおああ！！驚かさないでくださいよもう！」
なんだかデジャヴある話しかけ方だ。森川さんとは、「ブーブーくん」でよく一緒になるため、なんだかんだ一番親しい先輩かもしれない。