ご先祖様がついてくる【鬼滅の刃】

#43　貴方の笑顔 ページ43

何度も話しかけて来た男の子は竈門炭治郎という少年だった。

我妻善逸と嘴平伊之助という少年も紹介された。

伊之助は私と勝負がしたいみたいだけど、しのぶさんの許可が降りなかった。

善逸は「結婚してくれ」と言ってきたので拒否した。

というか、縁壱さんが凄い真顔で見てくるのだよ。

だからそのたびに『結婚はしません』と言っている。

炭治郎は私とよく話してくれるが、杏寿郎が亡くなったことが未だにショックなのだろうか、落ち込んでいる。

だけど彼らは毎日鍛錬をしながら鬼を倒しに行っている。

少しずつだが元気を取り戻しているのはわかる。

だけど気がかりなことがある。

縁壱さんが何故かずっと落ち込んでいるのだ。

凧揚げしても双六しても鬼ごっこしても、笑ってはくれるが何故か落ち込むのだ。

どうしてだろう。

今日こそは話してみよう。


『縁壱さん、こっちに来てください』


声をかけると私を見てくれる。

そして私がいるベッドに座ってくれた。


『ずっと感じてたんですが、どうして落ち込んでいるのですか？気に触るようなことをしたのなら謝ります。ごめんなさい』


すると縁壱さんは言う。


縁壱「そう見えるのか」

『失礼ながら見えます。もしかして巌勝さんと会って戦ったとき、あのことで悩んでいるのではと……もしくは私の無礼な態度に失望したかと……』

縁壱「違うのだ。ただ……兄上がAを殺すのではないかと思い、言伝をしてもらったのにも関わらず身体に傷を負わしてしまったことを後悔しているのだ」

『…心配してくださったんですね』

縁壱「継子でもあり、家族だからな」


そう言って縁壱さんは微笑んだ。

家族って言ってもらった。


『大好きです、縁壱さん』


えへへ、と私は笑った。


縁壱「Aが幸せそうなら嬉しい。幸せそうな人間を見ると幸せな気持ちになる。そう思わぬか？」

『はい。産まれたこと、縁壱さんと出会えたこと全てが幸せです！ご飯も進みます！』

縁壱「相変わらず食いしん坊なのだな。だけど食欲旺盛なのはいいことだ」

『はい！』


ベッドに座る縁壱さんに近づいた。

膝立ちして私は縁壱さんを抱き締める。


『こないだ縁壱さんから抱き締められたので、今回は私から抱き締めます』


私は貴方の笑顔が大好きです。

もっと幸せになって欲しい。

縁壱さんの身体は半透明だけど、私は気が済むまで抱き締め続けた。


*


文字数制限なんてなかったらもっと沢山書けるのに…いつもギリギリ。

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