ご先祖様がついてくる【鬼滅の刃】

#42　鉄井戸と痣持ち ページ42

祖父の膝の上で私が寝ていた。


「本当にこの子を剣士に育てるのか？」

「あぁ」

「女の子だぞ？それにまだ幼い」

「剣士に性別は関係ない。それにこの子は立派な剣士になる」


祖父が寝ている私の頭を撫でてくれた。

祖父の隣に座るひょっとこのお面をつけた老人がため息をついてから言う。


「継国さん、悪いことは言わないから」

「鉄井戸さん。私からの頼みを聞いてくれないか」

「なんだね？」

「この子の為に刀を作ってくれないか？老体に鞭打って悪いが、私もいつ死ぬか解らん身だ」

「……構わぬが……儂は心配だよ。この子は痣持ちだ。いつ狙われるか…」

「名字は変えてある。それに鬼殺隊に入らせる為に剣術の練習もしている。心配はない」

「……継国の名を途絶えさせていいのか？」

「いいのだ……私は、この子が安心して暮らせる未来の為なら……」


継国？

縁壱さんと同じ名字だ。

名字は変えてあるってどういうこと？

もしかして私の名字って継国なの？

鉄井戸って誰？刀鍛冶の人？

そういえば縁壱零式が刀鍛冶の里にあるって誰かが言ってたような……

お祖父ちゃん、教えて。教えてよ。

何もかも私を守るために厳しくしていたんだって。

縁壱さんの子孫だって。

お前の本当の名字は継国だって言ってよ。

私、そうじゃないとわかんないよ。

なんにもわかんないよ！！

教えてよ！お願いだよ！！

お祖父ちゃん、お祖父ちゃん！！


『おじぃ、ちゃあぁ……』


背中に激痛が走り私は夢から覚醒した。

ベッドでうつ伏せに寝かされたまま呻く。


『ひいあ、あ"あ"あぁっ……！』

しのぶ「動かないで下さい」


右肩から左脇腹までの背中が猛烈に痛い。


しのぶ「Aさん、貴方は鬼に背中を斬られて重症です。安静にしてください」

『なあっ……は、はい…』


あまりの痛さに私は枕に頬を押し付ける。

切り傷や擦り傷も所々あるとしのぶさんに言われた。

しのぶさんは私に意識があることを確認すると別の部屋に行ってしまった。

枕に顔を埋めながら呻いていると誰かが部屋に入ってきて声をかけられた。


「君、大丈夫？」


顔を扉に向けるとそこには左額に私と同じ痣を持つ男の子がいた。

痣、というより形は違うけど痣だ。

その耳には縁壱さんと同じ耳飾りがついていた。


「大怪我して運ばれて来たんだよ。生きててよかった」


そう言って笑う男の子。


炭治郎「そうだ。俺の名前は竈門炭治郎っていうんだ。君の名前は？」

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