#209 ここから番外編 ページ11
北の海にある三角形の建物。
そこは刑務所アズカバン。
これはどうしてそれが建てられたのかというお話。
数百年前、私は魔法薬の研究をしていた。
自分の体に薬を塗って自分自身で人体実験をしていた。
成功は限りなく少なく、失敗ばかり。
そんなある日。
初代魔法大臣がわざわざ私の家まで来てくれた。
当時の私はホグワーツに自室を持っていたが、自室ではなく別の一軒家を借りていた。
ホグワーツが休みの日は実験を繰り返す、そんな日々。
まるで気を図ったかのように来たのだ。
両手両足に鎖を巻き付けた囚人、厳重な警備員、ひたいに汗をかく初代魔法大臣。
「A様、すまぬが刑務所も地獄もこいつを引き取ろうとしないのですよ」
『私にどうしろと？』
「貴方がご自分のお体を使って人体実験してるって聞いたのです。そこで、こいつを生かすも殺すも貴方の自由です」
「こいつを引き取ってください。そして、こいつに人体実験をしてください。ご自分のお体を傷つけなくてすみますよ」
いったい何を言い出すんだこいつ。
私は誰にも自分の体を使って人体実験してると言ってない。
どうやって知ったのだ？
大臣がこんなことしていいのか？
『いらん。私は自分の体でやる』
「そんなこと言わないでください。私は」
「このクソアマ！あ？ふざけんなぁ！」
「囚人を黙らせろ！」
私に唾を吐こうとする囚人服の男。
それを止めさせる警備員。
私は腕を組んで大臣を見た。
『殺すというのは惜しいものだ』
「そうです」
『しかし、こいつを私の実験材料として使ったら人権とかなんだか…人間の…マグルの法というものに触れるのではないか？』
「いえ、こいつは魔法使いです。それにこいつに人権など必要ありません」
さるぐつわをされたまま悶える男に目をやる。
いったい、どんな罪をおかしたらこうなるのだ。
『こいつの罪状はなんだ？』
「二十人にもおよぶ魔法使い、魔女達を殺害のため」
『もういい』
私は腕を組むのをやめて男のさるぐつわを外すよう言う。
「このクソアマ！俺を誰だと思ってんだ！」
『テメェこそ私を誰だと思ってんだよ。私はテメェより何歳も年上なんだぞ。年上に対してなんだその口の聞き方は』
「年上だからなんだよ！知るわけねぇよ！俺は気に食わねぇヤツを全員殺してきたんだよ！」
『罪の無い人達をよく殺せたな』
囚人服の男は地面に向けて唾を吐いた。
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こ - うおおおおおお最高でしたありがとうございました (2023年3月27日 15時) (
レス) @page20 id: 991a92c757 (このIDを非表示/違反報告)
アニマトロニクス(プロフ) - 最後の最後まで素晴らしい作品でした！食人鬼さんの作品に出会えてとても良かったです。 (2018年10月4日 6時) (レス) id: 538062cc7f (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - なるほど、質問に答えて頂きありがとうございました！ (2018年9月8日 21時) (レス) id: 3707f5c19b (このIDを非表示/違反報告)
名無し61903号(プロフ) - ぴのさん» 歳は取りません。しかし、主人公の精神年齢が低いのです。 (2018年9月8日 21時) (レス) id: f947700d9f (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても感動しました。質問なのですが、不老不死だと歳を取らないと言うことでしょうか？ (2018年9月8日 19時) (レス) id: 3707f5c19b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：食人鬼 | 作成日時：2018年8月31日 11時
