【継国兄弟】兄上はお困りです！【キメツ学園】

#10　あのお方 ページ10

巌勝サイド

文化祭当日、私は受付を担当している。

文化祭に来た人の名前と学校名、もしくは職名を記して下さいと言い回っている。

カメラ撮影する外部の方には首から許可証を下ろしてもらっている。

装飾委員たちが作ってくれた学校の門に飾られている装飾を見ながら休憩中の私はコーヒーを飲む。

縁壱はクラスの出し物と校則違反をしていないかチェックしに回っている。

Aはクラスのシフトが終わり、今から2時間後に始まる劇に向けて衣装を着替えるのと、発声練習と台本見直しをすると言ってきた。

演劇部は台本覚えて言うだけの部活だと思っていたが、Aから演劇部の大変さを聞くたびに「そんなに辛い部活なのか…」と痛感した。

Aは『テストの時と公演がかぶると死ぬ。テストの範囲と台本を暗記とか……聖徳太子じゃないんだから』と言ってきた。

縁壱と共に励ますと頑張ると言ってセリフを暗記していた。

そよ風が頬を撫でてくる。

髪の毛を耳にかけて紙コップを机に置いた。

休憩時間はまだあるな、と思っていたら声をかけられた。

懐かしい声。

400年間側にいて、ずっとその声を聞いて生きてきた。

振り向くと、そこにはあのお方がいらっしゃった。



*


「演劇部って台本覚えるだけでしょ？なのにクラスの手伝いしないとかどういう神経してんの？手伝ってよね」

作者の私は演劇部で主役&監督を任されて音響と照明設備と後輩の説明に苦戦しながらクラスの出し物も手伝っていた際にクラスの子からそう言われました。あまりにもショックなのと、それが原因でクラス全員から仲間外れにされてその日は風呂場で泣いてました。

今思えば傑作と言える程の笑い話ですね。もう二度とあの学校には戻りません。同窓会も送別会も行かないし、なんなら私は卒業したその日にスカートとブレザーをハサミで切りました。韓国では、卒業の日に服を破くのは学校からの解放という意味の風習があります。後悔などしていません。むしろ清々しました(^∀^)

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