【継国兄弟】兄上はお困りです！【キメツ学園】

#14　前世、今世、君は誰 ページ14

文化祭があと2時間で終わろうとしているとき、私はクラスの出し物の手助けをしていた。

手助けといっても、ダンボール迷路の出口から出れたお客さんに景品として飴玉をあげる係なのだが。


『景品です！好きな飴玉とってください！』

「ありがとう……沢山あるんだね」

『はい！』


出口から出てきたのは私と背丈が同じ女の子だった。

顔には黒い狐のお面を付けて、頭に包帯を巻いている。

よく見ると女の子には右耳がなかった。髪の毛は私と同じ色合いをしている。

指や腕にも包帯を巻いていて、いかにも病人らしい風体だ。


「すみません、私の代わりに一つ選んでくれませんか？」

『いいですよ！マスカット味なんてどうですか？』

「…うん、美味しそう。それください」

『はいどうぞ！』


女の子に飴玉を渡したら、女の子は声をかけてきた。


「貴方は……前世を信じるかい？」

『前世…？』


確か入学式前のとき、炭治郎から似たような質問されたことあったな。


『輪廻転生の話は信じますよ』

「そっか…君は誰だい？」

『え？東Aといいます』

「うん……そっか。そうだね。君はAだ」


女の子は唯一絆創膏が貼られている人差し指で頬をかいた。

その仕草は私に似ている気がした。


『えっと……貴方は？』


私が尋ねると女の子はお面の下でクスッと笑った。

左腕が上手く動かせないのか、右手で左腕を庇うようにしながら女の子は言う。


「誰だっていいじゃない。さようなら、継国さん」


そう言って女の子は飴玉を持って教室から出ると階段を降っていった。


『継国さん…？』


私は首を傾げることしかできなかった。



*

作者が作った作品【ご先祖様がついてくる】からの夢主です。

まさかのクロスオーバーとなりました。

クロスオーバーはこれだけだと思うのですが…果たして…

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