サクラヒメは頑張ります！【賢者の石】 (ページ29)

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Episode27．愕然。ページ29

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side:ハリー

船を降りて、ハグリッドと共にホグワーツへと向かう。城に着くと、先生の隣に立っている少女が目に入った。
先生……マクゴナガル先生の隣で、楽しそうに微笑んでいるその少女。

「マクゴナガルせんせ、私もそろそろ……」

「えぇ、A。それではまた後で」

Aと呼ばれたその子は、先生から離れると、僕の隣に入った。
ロンはその子に見惚れてしまったのか、じっと彼女を見つめている。

「よろしく」

「ぁ、うん。よろしくね」

急に話しかけられて、驚いてしまったため、少しつっかえてしまった。
ツヤツヤの黒髪、そして、それと同じ色のきらきらした瞳。

綺麗だなあと思った。

「はいはい、静かに！これから組み分けの儀式を始めます。さぁ、一列になって。ついてきて」

先生の声で移動を始める。彼女は、僕とロンの後ろに並んだ。
組み分けの儀式。
まず、列車で知り合ったハーマイオニーが呼ばれ、その後、さっき言い争いになったマルフォイがよばれた。

……そして、僕が呼ばれる。

食堂はざわめいていた。
ヴォルデモートの魔の手から逃げられたって言うのは、それだけすごいことなんだと実感する。

スリザリンだけは嫌だった。あそこは闇の魔法使いが多いと聞いていたから。そう願っていたら、帽子は「グリフィンドール」を選んでくれた。
僕のあとだったロンも、無事にグリフィンドールで、安心した。

ふと、あの子はどこなんだろう、と思ったが、Aという名は今までで呼ばれていなかった。

「……A・サクラ！」

「えっ、サクラ……？」

「どうしたの、ロン？」

「……サクラって名前、珍しいんだ。この辺じゃあ。けど、有名なのさ……名前を言ってはいけないあの人の、側近だって噂の魔法使いの名前だから……」

僕は持っていたコップを落としそうになってしまった。

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