サクラヒメは頑張ります！【賢者の石】 (ページ25)

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Episode23．後悔。ページ25

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少し逡巡した様子を見せてから、彼は私を解放し、背中に付着していたであろう砂をはたいてくれた。
そして、ついに。彼は言葉を紡ぎ出した。彼と、彼の友人であった私の父と母について。

「……お前の両親もそうだった。我輩のことを見透かしたように笑って、道を間違えそうになれば、さらりとそれを正すような、そんな人だった」

「我輩が、想い人を振り向かせようとして……闇の道へと走ったときも。二人は迷わずといった様子で止めてきた」

「それを我輩は、拒否したんだ。あの時の我輩は想い人のことしか頭になかった。放っておいてくれと、いい加減うんざりなのだと、一瞬だけとはいえ、思ってしまった、口に出してしまった」

「彼らが、あの人に心酔しているという噂が囁かれるようになったのはその後からだった。……我輩は、二人にどう接していいか分からず、距離を置いた」

「それ以降、彼らとの交流は無い。向こうからのコンタクトも無い。
……すまなかった。一方的に話をしてしまって」

まるで神に向かって懺悔をするかのように、苦しげに、彼は私に全てを話した。

何故話したの？

私にはそれがわからなかったけど、きっと私が、彼の大切な "サクラ・ヒヨリの娘" だからなのだろうと予測した。

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