三ツ谷隆が恋する無気力男子

第10話 ページ12

夢主side




やっとの思いで返して貰えたゲーム機を手に、
三ツ谷と帰り道をゆっくり歩く


「あー


あのさ





A」


『？』




さっきまで普通に話していた三ツ谷だが、

突然声が弱々しく、
目を逸らして話しずらそうに声をかけられる



「俺さ、東卍ってとこで暴走族やってるって言ったじゃん」



『ん』




「今度さ
隣町の暴走族と抗争するんだけど

そいつらタチ悪いからさ


その」




『ん』





「俺とつるんでるとそいつらに手出されるかもだから



お前に何があるか分かんないからさ





抗争終わるまで
ちょっと
俺達距離置かないか？」





『・・・・・』







「自分勝手なこと言ってんのは分かってる

俺の都合をお前に押し付けてるし急に何言ってんだよって感じだろうけど
Aが危ない目に合うよりかは・・・」



『やだ』



「えっ！？」




三ツ谷が暴走族なのも知ってる

優しいし手芸部で家庭的なのに
人もぶん殴るし無免許ヘルメットなしでバイクにも乗る


三ツ谷の言ってることも分かった

抗争が終わるまで、
相手の暴走族に俺が手出されないように三ツ谷と絡むなってことだろう



『やだ』



「いや2回も言わなくても・・・」






『やだ、三ツ谷と距離置かない』





「ぇ、・・・」

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