東卍だろうが何だろうが鉄骨娘はひるまない

仲直り ページ36

何も考えずに喧嘩の流れを見ていると、いつの間にか喧嘩が収束していた。
二階から見ていただけだった釘崎は、閉め切っていた窓のおかげで会話の様子は全く知らぬまま。

「あ、終わったんだ」と思いながら、なぜかウンコを頭にのせて帰ってきた武道を風呂場に蹴り入れ、とある公園へむかい、日陰でくつろいでいた。


ようやく落ち着いたところで喧嘩の全貌を聞いたというわけだ

「え、そんな深刻なことになってたの！？」

「いやどう見てもそうでしょ！色々物飛んでたし二人の顔怖かったし！」

「知らないわよ。だいたい私途中から来たんだし」

「それでも大事なところはちゃんと見てただろぉ・・・？」

「アンタのヘボパンチがかすりもしないうえにゴミに突っ込んで泣きながら頭にウンコのせてるとこなら見たけど？」

「変なとこだけまとめないでよ！俺めっちゃかっこ悪いじゃん・・・」

頭にウンコをのせてマイキーとドラケンの喧嘩を止めた武道。
その裏にはなんだかんだで複雑な糸が絡み合っていた大きい喧嘩だったらしいとは今初めて聞いたことだ。

てっきり勝手にプリン食べられたとか、百円カリパクされたとかからの喧嘩と思ったら・・・
どうやらそうではなかったらしい。

釘崎が倒れた後、結局自分が長内を刺そうとしたのは変わらないし重傷者を出してしまったからと自首したパーチンを、助けに行こうとするマイキー派。

パーチンの覚悟を無下にしないというドラケン派に別れ、内部抗争の寸前までいったのだとか。

パーチンは最低でも一年、少年院から出られないとのこと。

よくそこまでの大事がウンコ一つで片付いたものだなと思わず関心してしまった

「にしても、たけみっちはすげーよな。ウンコで喧嘩止める奴なんて初めて見たよ」
「だな〜」

「マイキー君ドラケン君傷口に塩振るのヤメテ！俺あの時本当に怖かったんスからね！？」

ぎゃいのぎゃいの騒ぐ三人を眺めながらほっと力を抜いた。
ひょんなことから始まったメビウスとの衝突から、まぁ随分と大事に発展したものだ。

それに自分も巻き込まれるのだから困ったもので。
お陰で抗争だ喧嘩だヒヤヒヤさせられっぱなし

思う存分一息ついた後、改めてさっきまで大喧嘩していたはずの二人がバカ四人に混じって遊んでいるのを眺める。

あれだけ騒がせておいて全く調子のいい二人だ。

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