標的 43 「二つの‘白黒’」 ページ46
何も、考えられない。
目に映る全てがぼやけ、崩れ落ちた衝撃からか、膝がズキズキと痛んだ。
頭の中で色んなものが混ざり合い、少しずつ、少しずつ‘黒’が侵食してくる。
その‘黒’はとても怖くて恐ろしく、不気味なほど心地よいものだった。
その不気味な心地よさは、気を抜けば一瞬で取り込まれそうになるほど穏やかで…なおかつ、少しでも触れれば最後、抵抗を許さないような抗いがたいものがある。
それに思わず息をつめ、ゆっくりと緊張をほぐすように深呼吸を繰り返す。
それと同時に一度瞬きをすれば＿＿＿。
まるで対のように‘白’が現れた。
突如として現れた‘白’はとても安らかで安心できるが、やはりどこか不気味な心地よさが存在する。
しかし、‘黒’とは反対に穏やかではあるが抵抗を許さないようなものはない。
むしろ抗う気さえ起らなさそうな、かなり強い安堵を感じさせるような雰囲気が漂っている。
……これは、危険だ。
ぼんやりとそう思う。
二つの‘白黒’(モノクロ)がさざ波のように少しずつ此方へと近づいてくるのを感じながら、ふわふわと纏まらない思考の中で。
…こういう時のは本能に近いものがあるし、信用にあたるだろう。
＿＿＿こ…忌………い……神…！＿＿＿
………？
ナニカの声が聞こえる…。
＿＿＿さ……と…い＿＿＿
＿＿＿あ………哀……、…方………で＿＿＿
一つは僅かに灰色が混じった‘黒’から。
もう一つも僅かに灰色が混じった‘白’から。
その声に吸い寄せられるように顔を上げれば、記憶にはない、けれど見覚えのある景色が……。
*
*
*
*
*
*
「＿＿＿＿＿＿神無月！」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿っ！？
ひゅっ、と情けない音を上げながら聞こえた声に息を吸えば、無意識に止めていた呼吸が急に再開したのに驚いたのか、息を吸った拍子にむせ返った。
体をくの字にまげてげほげほと咳き込む。
暫くの間咳き込み続け、いい加減に酸素が足りず息苦しくなって来たころ、僅かに酸欠で滲んだ視界で改めて辺りを見回した。
そこには沢田と六道の影武者だと思われる男が未だに戦い続け、ビアンキさんとリボーン君が怪訝そうな顔でこちらを見ていた。
…今一つ状況を掴みきれない。
「急に膝をついて、どうしたの？」
「…何かあったのか？」
…彼女達の反応を見る限り、そんなに時間は立っていないらしい。
標的 44 「人の境界線」→←標的 42 「何かに、ヒビが入る音」 ※台詞ないでs(((
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卯月玲(プロフ) - 桃花さん» ご指摘ありがとうございますm(__)m 序章のところであってますかね？訂正させて頂きました！ (2015年5月30日 20時) (
レス) id: 4d479d3483 (このIDを非表示/違反報告)
桃花 - 卯月玲さん初めまして並森じゃなく並盛中です。 (2015年5月29日 18時) (レス) id: 79ce4fa6c1 (このIDを非表示/違反報告)
卯月玲(プロフ) - シンク王子さん» ありがとうございます！ 週に一回のペースなので、これからはもっと増やしていきたいです(笑) 今日も今日とて亀更新ですが頑張ります！ (2015年3月7日 14時) (レス) id: f3435855f3 (このIDを非表示/違反報告)
卯月玲(プロフ) - 雀さん» ありがとうございます！ そう言って頂けると嬉しいです…！ 今日も今日とて亀更新ですが頑張ります(笑) (2015年3月7日 14時) (レス) id: f3435855f3 (このIDを非表示/違反報告)
卯月玲(プロフ) - 爽猫さん» ありがとうございます！ 今日も今日とて亀更新ですが頑張ります！(笑) (2015年3月7日 14時) (レス) id: f3435855f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：砂月遊 x他1人 | 作成日時：2014年6月18日 22時
