標的 37 「摩訶不思議な武器」 ページ40
呆然としたまま、六道は口を開く。
「な、にが起こって…？」
「簡単なことだよ。
僕が、持っている扇子で今さっきの風を起こした、それだけだ。」
我ながら、意地の悪い言い方だという自覚はある。
だが、困ったことにそれ以外に言いようがないのだ。
正直、僕自身もまさかここまで風が吹き荒れるとは思ってもいなかった。
思わず苦笑が漏れる。
そんな中いち早くリボーン君が我に返ったのか、ボルサリーノのつばを下げながらどこか楽しそうに言った。
「…まさか、ここまで強い風を起こせるとはな」
…僕としては、結構不本意だけどね。
ああ、そうだ。
「補足するとすれば、六道。
君の武器は気流を絡ませ、烈風を起こすんだよね。
僕はその烈風を超す暴風を起こして、君の武器の烈風を打消し、さらに武器そのものを墜落させて攻撃を防いだ、ということだよ」
苦笑を消し、いつもの笑みを代わりに貼り付けて淡々とそういえば、六道の目が見開かれたのがわかった。
「そんな馬鹿な…！ その扇子一つであれほどの風を起こしたというのか」
「…ま、正確にはこの扇子の大きさじゃないけどね？」
あり得ない、とでもいいたげに呻く六道に悪戯(いたずら)に微笑みかけて、僕の持つ扇子を見やすいように掲げ一度閉じた扇子をもう一度開いた。
その瞬間＿＿＿＿＿＿＿＿＿。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿扇子、という言葉には相応しくないくらいに大きく広がる。
この扇子は地味に鉄の硬さなので、攻撃というには少しお粗末だが力任せに叩けば相手の打ち所が悪い時は気絶くらいならさせることができるだろう。
そして鉄と表したが、硬さが恐らく鉄並だろうというだけで、実際鉄を使ったものよりも軽い。
ついでにいえばこの扇子は大きさが調節できるようになっており、普段の日常生活でも使用可能だ。
最初の目くらましは普段使う用より一回り大きいもので起こした。
最初は僕も、何なんだこの武器…、となってはいたのだが、リボーン君がくれたもの、ということで深く考えないようにした。
あんな摩訶不思議な赤ん坊が持ってきた武器なんだし、その武器も摩訶不思議なのだろうと。
「…成程な。
だが、そのことを言ってよかったのか？
見たところ、貴様はそれ以外に対抗策はないようだが…？」
…鋭いっていやだね。
「そのくらい問題ないさ」
此方を見据える六道に笑いかけ、一触即発の雰囲気が流れた時。
「こら、何やってんだ！」
不意に、沢田の声が響いた。
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卯月玲(プロフ) - 桃花さん» ご指摘ありがとうございますm(__)m 序章のところであってますかね？訂正させて頂きました！ (2015年5月30日 20時) (
レス) id: 4d479d3483 (このIDを非表示/違反報告)
桃花 - 卯月玲さん初めまして並森じゃなく並盛中です。 (2015年5月29日 18時) (レス) id: 79ce4fa6c1 (このIDを非表示/違反報告)
卯月玲(プロフ) - シンク王子さん» ありがとうございます！ 週に一回のペースなので、これからはもっと増やしていきたいです(笑) 今日も今日とて亀更新ですが頑張ります！ (2015年3月7日 14時) (レス) id: f3435855f3 (このIDを非表示/違反報告)
卯月玲(プロフ) - 雀さん» ありがとうございます！ そう言って頂けると嬉しいです…！ 今日も今日とて亀更新ですが頑張ります(笑) (2015年3月7日 14時) (レス) id: f3435855f3 (このIDを非表示/違反報告)
卯月玲(プロフ) - 爽猫さん» ありがとうございます！ 今日も今日とて亀更新ですが頑張ります！(笑) (2015年3月7日 14時) (レス) id: f3435855f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：砂月遊 x他1人 | 作成日時：2014年6月18日 22時
