標的 35 「時間稼ぎ」 ページ38
「僕が行く」と宣言をしてから、ビアンキさんの前に立った。
それにやはり、というか抗議の声がかけられる。
「貴方…、やめなさい、危ないわ」
…僕からしてみれば、危ないのはどっちだという話なんだけど、どうやら心配してくれたらしい。
恐らく、彼女はまだ何故山本が技を食らったのかを理解していないはず。
まず、六道の技が違うことに気づいているのかもわからない。
…山本が使い物にならない以上、僕がやるしかないな。
獄寺がもし戦えたとしても、“この”六道相手では無理があるだろう。
蹲る彼の周りに散らばるダイナマイトを見れば、彼の武器がダイナマイトであることは明白。
六道に飛び道具等を使っても、六道の武器が飛び道具で強力なものである以上、打ち消されるのが関の山、という可能性がある。
不意打ちならばその心配はないだろうが。
「大丈夫ですよ、任せてください」
仕方なしにいつも浮かべている笑みを消して、無表情からほんの少し口元を上げ目を細めて笑って見せた。
いつも浮かべている笑みで笑いかけても心配が晴れることはないと思うし、むしろ逆に不信感を買いそうだし。
僕の笑みにビアンキさんは驚いたような顔をし僅かに肩の力を抜いた。
その瞳を見れば、微かだが心配が薄れているようだ。
少しだけ安心した様子のビアンキさんにもう一度ダメ押しとして笑いかけ、六道に向き直る。
…さて、どうしようか。
�狎藜慘�覇�瓩了�のように、種がわかっても僕にはそれに対抗する力がほぼ無い。
一か八かの賭けになるけど…、沢田が来るまでの時間稼ぎでもするか？
「…今度は貴様か」
＿＿＿あーあ、本当についてない。
まさか、仲間の輪に入る気がないのに輪の中にいる人たちを助けることになるなんて。
気にしないで、と言ってもこの人たち地味に律儀みたいだし、特にビアンキさんなんかは僕に何かこの件が終わったら言ってきそうだしなぁ…。
「えぇ…、まあお手柔らかにお願いしますね？」
鋭く此方を睨み据える六道に肩を竦め、いつも浮かべる笑みをヘラッと向ければ、既に刻まれていた眉間のしわが更に増えたようだった。
一先ずは…ビアンキさん達とは別の方向に居ないと。
そう考えて直ぐ、僕は六道の横に回り込むかのような仕草で駆け出す。
それに六道は流石というか、すぐさま反応し体の向きを変えた。
「！…暴蛇烈覇」
…いきなり暴蛇烈覇か。
六道の声に内心ため息をつきつつ、僕はただ黙って扇子を構えたのだった。
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卯月玲(プロフ) - 桃花さん» ご指摘ありがとうございますm(__)m 序章のところであってますかね？訂正させて頂きました！ (2015年5月30日 20時) (
レス) id: 4d479d3483 (このIDを非表示/違反報告)
桃花 - 卯月玲さん初めまして並森じゃなく並盛中です。 (2015年5月29日 18時) (レス) id: 79ce4fa6c1 (このIDを非表示/違反報告)
卯月玲(プロフ) - シンク王子さん» ありがとうございます！ 週に一回のペースなので、これからはもっと増やしていきたいです(笑) 今日も今日とて亀更新ですが頑張ります！ (2015年3月7日 14時) (レス) id: f3435855f3 (このIDを非表示/違反報告)
卯月玲(プロフ) - 雀さん» ありがとうございます！ そう言って頂けると嬉しいです…！ 今日も今日とて亀更新ですが頑張ります(笑) (2015年3月7日 14時) (レス) id: f3435855f3 (このIDを非表示/違反報告)
卯月玲(プロフ) - 爽猫さん» ありがとうございます！ 今日も今日とて亀更新ですが頑張ります！(笑) (2015年3月7日 14時) (レス) id: f3435855f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：砂月遊 x他1人 | 作成日時：2014年6月18日 22時
