標的 25 「それぞれのヒーロー」 ページ28
最初に剣を向けられた時とは違い、偉そうにこちらを不遜な態度で見る男。
どうやらハルという女の子を人質に取ったため、容易に自分に逆らうことは出来ないと踏んだらしい。
だがしかし、残念なことに僕はそんなことで今の状況を変えることはしないし、この男は自分の立場を理解していない。
せっかくの有利な状況を、誰がみすみす手放そうとするだろうか。
僕は少なくとも手放す人ではないのだ。
こんなことで主導権を握るなど、馬鹿馬鹿しいにも程がある。
立場をもう一度しっかりと理解させなければ。
「あのさオジサン、あんた馬鹿だね。
生憎(あいにく)と僕はあんたの立場をあんたより理解してるようでさ。
こっちに有利なのを、利用しない手はないだろう」
「…？ 何をふざけたことを……」
＿＿＿本当に理解できていないのか。
相手にするのも馬鹿らしくなってくるな。
だが…仕方ない。
「あんたが下手なことをした瞬間、その首が飛ぶぞ、って言ってるんだよ。
この剣があんたをとらえている限り、あんたに主導権はない」
淡々と言葉を紡いでいけば、標的の男ではなく沢田達が息をのむ気配がした。
…彼らに向けたわけじゃないんだけどな。
感情がなさ過ぎたか？
「な、何を…そんなことをしてみろ、この子が＿＿＿」
おそらく苦し紛れに出されたであろう言葉に思わず嘲笑が浮かんだ。
どうやらこいつは頭が空っぽみたいだ。
「わかってるさ。
だから……こうやって、したくないあんたの相手までして、時間稼ぎをしたんじゃないか」
「な、」
「「…え？」」
淡々としたままで、嘲笑を浮かべたままそう告げれば、間抜けな男の声と沢田達の声が聞こえた。
その直後＿＿＿。
「は！」
短い掛け声と共に、鈍い音がした。
「あれは…」
沢田が笹川達やハルという女の子を映していた画面を見て、呆然と声を上げる。
そこに映っていたのはあの女の子と中国っぽい服を着た女の子、そしていつかの授業参観の時に沢田の母に連れられていた、モジャモジャヘアーの男の子の成長後みたいな感じの男の子だった。
「バカな…！ なぜ次から次へと…」
哀れで馬鹿な男は茫然とそう言った。
それに答えるように画面越しにそれぞれのヒーローが口を開く。
「言われた通り、ハルさんを見張っててよかった」
「奴の読みはどんぴしゃりだったな」
「…まさか、リボーン、お前…」
＿＿＿＿＿＿全ては家庭教師様の手の中、ってね。
標的 26 「呆気ない終わり」→←標的 24 「＿＿＿馬鹿が」
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卯月玲(プロフ) - 桃花さん» ご指摘ありがとうございますm(__)m 序章のところであってますかね？訂正させて頂きました！ (2015年5月30日 20時) (
レス) id: 4d479d3483 (このIDを非表示/違反報告)
桃花 - 卯月玲さん初めまして並森じゃなく並盛中です。 (2015年5月29日 18時) (レス) id: 79ce4fa6c1 (このIDを非表示/違反報告)
卯月玲(プロフ) - シンク王子さん» ありがとうございます！ 週に一回のペースなので、これからはもっと増やしていきたいです(笑) 今日も今日とて亀更新ですが頑張ります！ (2015年3月7日 14時) (レス) id: f3435855f3 (このIDを非表示/違反報告)
卯月玲(プロフ) - 雀さん» ありがとうございます！ そう言って頂けると嬉しいです…！ 今日も今日とて亀更新ですが頑張ります(笑) (2015年3月7日 14時) (レス) id: f3435855f3 (このIDを非表示/違反報告)
卯月玲(プロフ) - 爽猫さん» ありがとうございます！ 今日も今日とて亀更新ですが頑張ります！(笑) (2015年3月7日 14時) (レス) id: f3435855f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：砂月遊 x他1人 | 作成日時：2014年6月18日 22時
