標的 24 「＿＿＿馬鹿が」 ページ27
二つの剣を首に当てて、これじゃあひとつ無駄か、と一つの剣を相手の腹の方へ持っていく。
剣を向けられた男は、今まで偉そうに沢田を脅していた面影が早くも無くなり、酷く怯えていた。
「…な、神無月！？」
驚いたような獄寺の声。
…あれ、あいつちゃんと僕の苗字覚えてたのか。
いつもお前、やらてめぇ、だとかだから忘れたのかと。
「か、神無月さん、何して…っ！？」
沢田の動揺したかのような声。
いや、何してって、君を一応助けたんだけど。
というかこの状況が恐ろしいのならば、沢田がどうにかしてくれよ。
リボーン君の助けを借りてでも、さ。
そんな意図も込めつつ、彼の近くにいるであろうリボーン君を探せば、バッチリと合う視線。
僕の意図を理解したのかは知らないが、彼は口角を僅かに上げ、自分の帽子のつばを下げた。
…なるほど、手を出す気はないらしい。
自分の教え子がピンチなのに何を考えてるんだか。
……まぁ、リボーン君も、策なしっていう訳じゃないんだけど。
「＿＿＿＿＿＿！」
不意に、画面の方から言葉になっていない呻き声が聞こえた。
双剣はそのままに、視線だけを後ろにある画面に向ける。
＿＿＿＿＿＿そこには、保健室前で会ったあのだらしない男、Dr.シャマルが立っていた。
顎に手を当てて、白衣を着たまま笹川達女性二人と、長身のいささか不気味な男の間に立っている。
…この際、Dr.シャマルが言ったくだらない台詞は無視しよう。
「Dr.シャマル！」
沢田の驚いた声が最初に響いた。
それに反応したのか、僕が剣を向けた男は動揺したように
「な、何！？」
と大袈裟(おおげさ)なくらいに声を荒げ、何かを考える。
「やるな！」
「おせーんだよ、このヤブ医者！」
…山本と獄寺の反応は正反対だが、どうやらどちらも彼が来てくれたことに安心しているようだった。
＿＿＿だが、この男は僕に剣を向けられているのにも関わらず、話の主導権を握ろうと声を上げる。
怯えはもうほとんど見受けられなかった。
「こっちにはもう一人いるんですからねぇ。ほら、次はこの子の番ですよ」
「ハル！」
嫌な声だな、聞いているだけで不愉快な気分になる。
沢田もかなり黒髪の女の子のハルという子を心配しているようだ。
「嫌なら続けてもらいましょうか。
…どこの誰かは知りませんが、貴方も剣をどけてくださいよ？」
＿＿＿馬鹿が。
このくらいの脅しでやめる程なら最初から僕はしないというのに。
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卯月玲(プロフ) - 桃花さん» ご指摘ありがとうございますm(__)m 序章のところであってますかね？訂正させて頂きました！ (2015年5月30日 20時) (
レス) id: 4d479d3483 (このIDを非表示/違反報告)
桃花 - 卯月玲さん初めまして並森じゃなく並盛中です。 (2015年5月29日 18時) (レス) id: 79ce4fa6c1 (このIDを非表示/違反報告)
卯月玲(プロフ) - シンク王子さん» ありがとうございます！ 週に一回のペースなので、これからはもっと増やしていきたいです(笑) 今日も今日とて亀更新ですが頑張ります！ (2015年3月7日 14時) (レス) id: f3435855f3 (このIDを非表示/違反報告)
卯月玲(プロフ) - 雀さん» ありがとうございます！ そう言って頂けると嬉しいです…！ 今日も今日とて亀更新ですが頑張ります(笑) (2015年3月7日 14時) (レス) id: f3435855f3 (このIDを非表示/違反報告)
卯月玲(プロフ) - 爽猫さん» ありがとうございます！ 今日も今日とて亀更新ですが頑張ります！(笑) (2015年3月7日 14時) (レス) id: f3435855f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：砂月遊 x他1人 | 作成日時：2014年6月18日 22時
