標的 17 「君は、どこかで＿＿＿？」 ページ20
……チョコレートを渡したのは、ほんの気まぐれだった。
確かに店員さんが困った様な顔をして彼を見てたし、外に彼の不良っぽい外見に戸惑うような、怯えるような顔の小学生も居たけど。
所詮そんなことは僕にはどうでもいいことで。
……というか、なんで小学生ここにいるんだ。自宅待機とかじゃないの？
まぁ、いいや。
そんなことは置いといて、本当に気まぐれだったんだ、チョコレートを渡したのは。
だけど……、何でだろう。
どうして、この歪められた顔が、そっぽを向いた顔が。
＿＿＿＿＿＿＿僕の記憶の、ダレカと、かぶるんだ？
「君は、どこかで＿＿＿？」
零れた言葉は、恐らく無意識。
無意識のうちに零れ落ちたであろうそれに、多分、僕が呆然としている間に去ろうとして反対側をむいた彼の足が止まる。
そして、どこかイライラしたようにこっちを見て、彼は一言。
「何言ってんだびょん。
…お前なんか、俺はしらねぇっつーの」
そして、彼は去っていった。
彼が知らないと言うのなら、きっと知り合いではないのだろう。
というか、あいつこっちにお礼も言わず去っていったんだが。
別にこっちが押し付けたからお礼いらないけど。
そんなくだらないことを考えて、僕は駄菓子屋を後にした。
どこかにお菓子食べれるとこないかな、なんて思いながら。
………きっと、そう考えることでさっきのことを忘れようとしたんだと思う。
＿＿＿＿彼が去るときに言った言葉の違和感を。
＿＿＿＿あの言葉を言われたあとに感じた、微かな動揺を、忘れようと。
まぁ最も、そんなこと、全てが終わった後に気付いたんだけど。
標的 18 「並盛中……」→←標的 16 「……チョコレート？」←2015.04.19変更しました。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 26人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
卯月玲(プロフ) - 桃花さん» ご指摘ありがとうございますm(__)m 序章のところであってますかね？訂正させて頂きました！ (2015年5月30日 20時) (
レス) id: 4d479d3483 (このIDを非表示/違反報告)
桃花 - 卯月玲さん初めまして並森じゃなく並盛中です。 (2015年5月29日 18時) (レス) id: 79ce4fa6c1 (このIDを非表示/違反報告)
卯月玲(プロフ) - シンク王子さん» ありがとうございます！ 週に一回のペースなので、これからはもっと増やしていきたいです(笑) 今日も今日とて亀更新ですが頑張ります！ (2015年3月7日 14時) (レス) id: f3435855f3 (このIDを非表示/違反報告)
卯月玲(プロフ) - 雀さん» ありがとうございます！ そう言って頂けると嬉しいです…！ 今日も今日とて亀更新ですが頑張ります(笑) (2015年3月7日 14時) (レス) id: f3435855f3 (このIDを非表示/違反報告)
卯月玲(プロフ) - 爽猫さん» ありがとうございます！ 今日も今日とて亀更新ですが頑張ります！(笑) (2015年3月7日 14時) (レス) id: f3435855f3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：砂月遊 x他1人 | 作成日時：2014年6月18日 22時
