Female soldier 4【wrwrd!】 (ページ9)

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いつかページ9

ut視点

「気ぃつけてな」

はぁ……疲れた。そういや次はあいつ……なんやったっけ、名前。誕生日やったやんな。まぁ何か適当に渡しときゃええか。
女を見送って、そのまま路地裏に直行した。
流れるような動作で煙草に火をつけ、煙を燻らせた。

ついこの間Aちゃんたちの葬式を済ませたばかりやと言うのに、もう日常が戻ってきとる。
……否、戻ってきたんやのうて無理矢理戻しとるんやな。
なんであんな焦っとんのやろ、グルッペン。

「さて……戻るか」

咥えていたそれををがさつに地面に押し付け、そこを後にした。

『あんまり煙草吸わない方がいいですよー？大先生には長生きしてほしいですから』
『また彼女サンですか？ふふ、たまには私もデートに連れてってくださいね～っ』

「…………っ」

突然、Aちゃんの声が頭の中に響き渡った。

……あぁ、なるほどな。寂しかってんな、俺。

この一週間くらい毎日女と遊びに行ったけど、何も残らんかった。金ばっか減って、何も満たされんかった。

俺、完全にAちゃんに落ちててんな。

みっともな……なんで今の今まで気付かんかってん。
もう、考えるより先に足は動き出しとった。体力のない俺が、走ってまでして向かう場所はただひとつ。
Aちゃんのところへ。

・

「はぁっ、はぁっ……」

折角整えた服装も髪型も、ぐしゃぐしゃになってもうた。
なんでもっと早く来んかったんやろ。後悔と自分のアホさ加減で潰れそうや……。

「はぁっ、…………Aちゃん、っ」

気付けば涙が頬を伝っていて、顔までもがぐしゃぐしゃになっとった。

「ごっ、ごめん、なぁ……っ僕、ぼぐ、うぅっ……！」

子供のように、情けない声で泣きじゃくった。
行く途中色々考えとったけど、嗚咽が漏れるばかりで。

「うっ、うぅっ、くっ……愛、しててん。いや、今でも愛しとる。愛しています……っ」

やから、お願いやから、今度は、来世は＿＿＿＿

「っ…………僕と、結婚してください」

ぐしぐしとジャケットの袖で涙を拭い、遺品整理のときにショッピくんに貰った、俺があげたバレッタと、サファイアの指輪を石の前に置いた。

「いつか……いつか、返事、聞かせてな。ずっと待っとるから」

俺は立ち上がるとポケットから携帯を取りだし、今までつるんだ女の連絡先を全部削除した。

ごめんな、今まで。
こんなダメな僕やけど、愛させてくれ。