Female soldier 4【wrwrd!】 (ページ4)

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故郷ページ4

「美羽ちゃん、あっちにおるで。せや、俺と一緒に輸送車乗って帰ろか」
「は……いいんですか？」
「その方が美羽ちゃんも嬉しいやろ。準備するから、終わるまでこれで顔綺麗にしてあげてや？」
「……はい」

そう言ってしんぺい神さんはショッピ兄に湿らせたガーゼのようなものを渡した。

「なんで、なん……？なんで、美羽なん……っ」

泣き崩れるショッピ兄の涙が、私の頬を濡らした。
それじゃあ、いくら拭っても綺麗にならないよ、ショッピ兄……だから、どうか、もう泣かないで。

「ショッピくん、落ち着きや？悲しいのはよう分かる。でも今は自分を責めんといて。な？」

過呼吸になっている彼に、いつもの肝が据わったしっかりした姿はどこにもなかった。

「もう大丈夫？」
「はい……すみません、取り乱してもうて」
「ええねんで。……にしても、改めて見るとエライ別嬪さんやなぁ」

そして二人はふらつく足取りを堪えながら、やっとのことで輸送車に乗った。
一緒に乗る勇気は出なかった私は、申し訳程度に輸送車の上に掴まった。

風がとても心地よかった。
いつの間にか恐怖や寂しさ、悲しさという感情はなくなっていて、不思議と安心していた。
基地に帰れるから、なのかな。
私の大切な場所……故郷、だから。

・

車に揺られてどれくらい経ったか。
私が寝てしまった間、輸送車はとっくに基地に着いていて、幹部も兵士も総動員して片付けや点検、確認作業にあたっていた。

私たちは端に並べられており、砂埃や返り血も粗方なくなり綺麗になっていた。
幹部の方々はそこにやってきて、名前を確認し、各々言葉を送ったり祈りを捧げたりしていた。

屈強な兵士たちに混じり、一際小さい貧弱な私を見つけた。
苦しそうな顔はしていなかった。よかった。

「Aちゃん……っ！」
「……信じられん。信じたないわ、こんなん」
「嘘……やんな？嘘やろ？なぁ……」

そんな言葉が聞こえてきた。シャオロンさんはコネシマさんに肩を支えてもらって立つのがやっとなようだった。

「……よぅ頑張ったな、Aさん」
「ほんまに、よぅ頑張ったな……ごめんな…………っ」
「……」

トントンさん、オスマンさんはそう言ってくださった。
グルッペンさんは、何も言わずそこに佇んでいるだけだった。

あぁ、幸せだなぁ。

不謹慎だけど、そう思ってしまった。
この軍に入れてよかった。

独りより、悲しいことはないから。