ただいま ページ30
「お、ここに居るなんて珍しいやん。どないしたん？」
「えー、と……鬱さんたちと喋ってただけ、やで」
最初に話しかけられたのはトントンさんだった。やっぱりタメ口は緊張するし恐れ多い。
“私”、どれだけハートが強いんだ……。
「……ふーん、そか」
あー、このお三方にはバレたかな。よかった……んだよね？
続いてシャオロンさんとひとらんさんが入ってきた。
「ちっすちーっす」
「今日はこっちなんだね」
少ししてゾムさん、ロボロさん、エーミールさんが来て、全員が揃った。
「よぉA！やっぱお前向こうの量やと足りひんかったんやな！」
「え、いや、えーと、そういうわけでは」
「まぁまぁええやん！遠慮せんといっぱい食べぇや！な！」
あははー食害コースだこれ、懐かし……まだこの文化あったのね。誰か止めてくださいな……。
「……全員席に着いたな。
してA、何を企んでいるんだ？」
「「え？」」
今『え？』って言ったの誰かな、ふふふ……やっぱり全員は気付いてなかったみたいね。
……まさかのグルッペンさんも、とは思ってなかったけど。
「えーと……」
とりあえず、最初に挨拶しなくちゃいけないのは我等が総統、グルッペンさんよね。
私はグルッペンさんのもとへ歩み寄り、
「只今戻りました。マイン、フューラー」
「は……？」
「A・グランツです」
静まり返る室内に、壁掛け時計のチクタクという音だけが響いている。
私が立ち上がると、グルッペンさんは一緒に立ち上がり、静かに私を抱き締めた。
「っ……よく、帰って来た！！」
次第にトントンさん、オスマンさん……と集まり、復帰を大いに喜んで下さった。
「ほんま、よぅ帰って来たわ……！」
「おかえり、Aちゃんっ！」
「うっうっ、まだ会えるなんで思わんがっだぁ……」
「ずっとずっと会いたかった！」
「今までどこ居ってん……寂しかったわ、アホ！！」
「まさに水魚の交わりだね。また会えてよかった……っ！」
「ええ本当に……帰ってきてくれてありがとう！！」
「フッ、なんかもうどうでもよくなってもうたわ。おかえり、A、ちゃん……っ」
「何泣いとんねん！いつもみたいにカッコつけぇや……っ！！」
「先輩も泣いてるやないっスか……っ」
「「おかえり、A！！」」
「うぅっ……はいっ！ただいま！！」
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作者名：ウィング | 作成日時：2020年11月2日 8時
