考え事 ページ25
「なるほど……家族、か」
「うん。あえて言うならグルッペンがお父さんで、トントンとマンちゃんがお母さんで、他のみんながお兄ちゃん、みたいな！
でもほんまのお兄ちゃんはショッピ兄だけやで？むふふ」
グハァッ……これはあかん、これはあかんわ。あかん……。
「……ショッピ兄、大丈夫？」
「え、あ、おん、大丈夫…………やで」
「ふぅ〜ん、へーんなの……ぅぶっ！」
その瞬間、Aは柱に思い切り正面衝突した。
もっと何か違う悲鳴なかったんか、妹よ……。
「いったぁーい……」
「大丈夫スか？ちゃんと前見て歩かんからこうなんねんで、全く……」
たんこぶにならんとええな……赤くはなっとるけど腫れてはなさそうやから心配ないか。
「うぅ……気を付けます……」
なんてやり取りをしとると、いつの間にか自室の前に着いとった。
ちなみに今も同じ部屋で暮らしとる。
ちゃんと部屋の真ん中はパーテーションで区切っとるから非難されることもないと信じとるが……。
「ショッピ兄おやすみ〜。電気よろしく」
「はいはい。おやすみ」
言われた通り電気を消し、布団を被って目を閉じた。
……言ってしまえば、俺と今のAは血の繋がりのない他人、や。幹部の皆さんの振る舞いや気遣いで俺はほんまの兄妹やってことになっとるのが現実。これをいつか伝えなあかんと思うと、胸が苦しくてしゃーない。
それから、前のAのことも。
今のAも、前のAも、どっちのことも愛しとるし家族やと思うてる。どっちかが消えるのも嫌や。どっちかを否定することになるのも嫌や。
ほんま、どないしたらええんやろ……30年生きてても分からん。
……夜はやっぱ気持ちが落ち込みやすいな。最近ずっとこんな感じや。困ったなぁ、色々。
「ショッピ兄入ーれーてっ」
「わっ、びっくりした……起きてたん？」
「うん。なんかごそごそ聞こえるから」
「う"っ……ごめん」
寝返りうちながら考える癖、やめよ。直そ。すまん妹。
すると突然Aがベッドに入ってきた。え。
「えっ、ちょっ」
「寒いから入れてやぁー」
「まぁええけど……なんで？」
「相談乗ったろ思て。……ふふ、落ち着く。お兄ちゃんいい匂い」
三銃士やなくてよかったぁ……童◯キラーやったんかこの子。
「ショッピ兄が何悩んどるのか知らんけど、うちは死ぬまでずっとショッピ兄の味方やし妹やから、
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作者名：ウィング | 作成日時：2020年11月2日 8時
