Female soldier 4【wrwrd!】 (ページ24)

今日:7 hit、昨日:1 hit、合計:13,957 hit

decade ページ24

shp視点

最後にAの記憶が戻った日から10年余りが経った。
転生後の彼女はすくすく成長し、転生前にこの軍に入ってきた頃と変わらぬ姿になった。
対する俺たちも皆30歳を超え、すっかりおじさんになった。

軍はどうなったかって？
全戦全勝、領土は10年前の何倍になったか知らない。世界に名を轟かせる、最強と言っても過言ではない強さを誇れるくらいにはなった。
……なったと言うか、あの総統が皆を導いた、の方が正しいか。あれほどのお方はどこを探しても居らんとつくづく思う。

「ショッピ兄、何を考え事しとるん？」
「ん？いや、なんでもないで」

隣を歩いとるのが14のA。可愛い可愛い世界一の妹。

「なぁなぁショッピ兄、また変なこと聞くんやけどさ、うち、シッマのこと前から『シッマ』って呼んどったっけ？」
「え……うん。それがどうしたん？」

最近ずっとこんな調子である。
もしかして転生前のAが戻ってきつつあるんかな……？と思うけど、素直に喜んでええのか分からん。

前のAが戻ってくるのは嬉しい……けど、そしたら今のAはどうなるんやろう。この世に生を受けて、14まで育った、この『A』はどうなってまうんやろう。消えてしまうのなら、えらい悲しい。

「なんかなぁ、『シッマ』やのうて『コネシマさん』って呼んでた気がすんねん。おかしいやんな？」

……やはり、俺の予測は当たっとるような気がする。
前世のAと今を生きるAが、混ざりつつある……否、前世のAが出てくる、戻ってきとるのかもしれん。
こういうとき、どう返すのが正解なのか分からん。困った。

「そうか？まぁ呼び方なんてなんでもええやん」
「うーん……せやな。てか、今の呼び方の方が関係が近い感じがしてええと思う」
「まぁうん……Aは、コネシマさんや他の幹部の皆さんのこと、どう認識しとる、というか、どんな関係やと思っとる？」

俺だけかもしれんけど、未だにAが先輩方をあだ名や呼び捨てで呼んどるのが慣れん。まぁ、Aの好きなようにするのが一番やし、転生してきた(多分)ことは伝えてへんから絶対言わんけど。

「えー？うーん……なんやろ、家族、かな？
血の繋がりだけが全てやないし、うちを育ててくれたんは間違いなくグルッペンたちやからさ。あ、でもショッピ兄はほんまの家族やから、やっぱグルッペンとはちょっと関係が近い感じがする……かな」

……嬉しいこと言うやんか。