Female soldier 4【wrwrd!】 (ページ16)

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本来の姿ページ16

「自分はっ、……我々軍、近接、攻撃部隊、第1班副班長……兼、兵士訓練、副教官……トイフェル・シャオロンでありますっ！！」

戦争以外で敬礼したのなんか、いつぶりやろ。顔はぐちゃぐちゃ、服装も乱れとるけど、人生で一番綺麗な敬礼やったと思う。

「そうか。なら、トイフェル・シャオロンに問う。お前はこれからどうする」
「これ、からっ……。
っこれから、しっかり働き、軍にこの身を、魂を捧げ、私の役割を全うするため全力で何事にも取り組み、私の全てを尽くし、常に軍を勝利に導きます！！」

もう何がなんだか分からんかった。でも、根底に眠っとった本来の俺がそこに現れた気がした。心に巣食っとった何かが居らんようになった気がした。

「……フッ、よろしい。それでこそ我等が軍の構成員だ。
よろしく頼むぞ、トイフェル・シャオロン」
「はい！……うっ」
「シャオロン！！」

トントンの声を最後に、俺の意識は途絶えた。

・

tn視点

「あーあー全く……鬱、ぺ神に報告。ゾム、天井から降りてこい。シッマと医務室まで運べ」
「ありゃ、バレとった。へいへい、承知ー」

ほんまに……困った奴らやな。個性が強すぎる。
まぁこの総統サマの部下やからな。しゃーなしというか何と言うか。
肝心の総統サマはというと、ぶっ倒れたシャオロンの左頬に手を当てて何か言っとるようやった。邪魔者は退散する他ない。
……一応、事務処理はちゃんとしててんな、こいつ。偉い偉い。残りはやったるか。
俺は書類の束を手に、部屋を後にした。

・

gr視点

……あぁ、やってしまった。まただ。
今回は失わずに済んだが、あと一歩遅れとったらどうなっていたことか。
目の前でぐったりと倒れたシャオロンを見ると、ギュウっと胸が締め付けられた。
すっかり痩せこけ、目は赤く腫れ、自慢のシャベルは埃を被って部屋の隅に無造作に置かれとった。
失神させたのは申し訳なく思う。が、無理矢理突入したのは後悔していない。それこそ助けられなかったかもしれないからだ。
俺は徐(おもむろ)に殴ってしまった左頬に手を添え、

「……すまない、シャオロン。俺が悪かった。……ツラいのはみんな一緒だ。
どうか分かってくれ、シャオロン……」

と言い、ゾムとコネシマと一緒に医務室へ向かった。

トン氏にも、謝らなければな。
……あぁ、どうも生き方が下手で困る。今だけは弱気になってもいいだろうか。