MoonDust_24 ページ26
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やっと着いた。
1か月前と何も変わらない。
なんば駅____。
賑やかすぎる街。
1か月前、ここで約束した。
『来月の10日、15時頃またここに来ます。
その時会えたら連絡先、交換しましょう。』
姿は見えないし多分来ないんだろうな。
分かってたから別にいい。
今の時間は、15時20分か。
貴｢…私の新しい家は…こっちか。
今日中に荷解き終わるかな。｣
あ、この看板、前に迷子になった時見た看板だ。
あの時、ここで白膠木さんに声掛けて貰えなかったら
多分永遠にたどり着けなかったんだろうな。
相変わらず人は沢山いて騒がしいけど、
なんか、静かだ。
貴｢…はぁ｣
｢｢そこの紫の髪の可愛いお嬢ちゃん｣｣
貴｢！？｣
簓｢遅刻やで〜Aちゃん
20分も遅れるなら先に言ってや！｣
いた。
来ないと思ってた
自然と、口角が上がる。
貴｢……来ないと思ってました。
約束、覚えてたんですね｣
簓｢なんや、久しぶりの再会やのに、えらい冷たいな…｣
貴｢泣いて喜んだ方が良かったですか？｣
本当は嬉しいですよ。
冷たいのは通常運転なんです。
来ないと思ってたから
ニヤケが止まらないくらい嬉しいです。
簓｢ほな、行こか！
荷解き手伝ったる！｣
貴｢…未成年の家に上がりこもうってんですか｣
簓｢…確かにな〜
ほんなら、今日から俺がAちゃんの大阪の
保護者や！お兄ちゃんって呼んでもええで？｣
これなら問題ないやろ？とドヤ顔の白膠木さん。
貴｢大分ぶっ飛んでますね。頭のネジ忘れてきたんですか｣
この感じ、1か月前と変わらない。
満たされてる気がする。
簓｢どないしたん、なんや嬉しそうやな！｣
ニコニコしながら、顔を覗き込んでくる白膠木さん。
貴｢そりゃあ、嬉しいですよ｣
簓｢…簓さん、ビックリや……!!
この1ヶ月でえらい素直になって…!!｣
貴｢失礼ですね。私は元から素直です。｣
なんでこんなに嬉しいのか…
自分でもよく分からない。
貴｢早く家に行かないと。
荷解き終わらないです。｣
簓｢お、そやったな。
この白膠木簓こと荷解きの達人に任しとき！！｣
貴｢荷解きの達人ってどんだけ引越ししてんですか。
問題起こしまくりなんですか。｣
新しい家までの道のりは
軽快で、
すごく短く感じた。
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作者名：夢乃叉優芽 | 作成日時：2023年3月11日 22時
