MoonDust_1 ページ3
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あれからの私の行動は早かった。
退学届けを出した。
もちろん親は良い顔なんてしなかった。
けど、気持ちは軽い。
……でも、1つ問題がある。
貴「…これから何しよう。」
私が持ってる資格と言えば、バイクの免許、それと色彩検定だけ。
バイクは好きだから。色彩検定は絵を描くのが好きだから取った。
かといって、この資格は何の役にも立たない。
高校も中退しちゃったから家にも居づらい。
貴「どうしたもんか…」
とりあえず、手に職を付ければ文句は言われないだろ。
ベッドでゴロゴロしながらスマホで何となく求人を探してみた。
[服装、髪色、ネイル自由!]
[和気あいあいとした職場です!]
[若い女の子、活躍中☆]
見るからに怪しげな求人。
けど、ピンと来た。
こういうのは思い切りが大事だ。
危ない仕事なら直ぐに辞めればいい。
早速、応募しよう。
この仕事なら、何となくだけど、
学校みたいに息苦しさは感じないと思う。
貴「…お、早速連絡きた。」
[応募ありがとうございます。]
[面接を行いますので、〇月〇日に]
[大阪府〇〇市○○町○○ビルまでお越しください。]
貴「…?お、おおさ、か?」↩︎横浜住み。
おかしいな。
横浜市内に大阪なんてあったっけ。
市内で絞って探したんだけど。
求人を見直すと、
右上に小さく【PR】の文字。
貴「………嘘。」
大阪ってあの大阪だよね?
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貴「……って事でさ、大阪行ってくる。」
母「……あんたの好きなようにしなさい。」
相当呆れてるな。
父に関してはもう、無言。
見向きもしない。
まぁ、高校中退した娘に言うことなんてないか。
いや、ちがう、昔からずっとこうだったっけ。
小学校高学年になったくらいから。
貴「とりあえず面接だから。落ちたらこっちで仕事探す。
受かったら、大阪で一人暮らししながら働く。」
母「全部決まってから言って。」
貴「……わかった、そうする。」
寂しいとか、少しくらい反応して欲しいとか、
そんな事も思うことはあったけど、もう慣れた。
私も報告位のつもりで話しただけだし。
面接さえ受かれば、私は
家族とも縁を切れる。
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作者名:夢乃叉優芽 | 作成日時:2023年3月11日 22時