優しさがじゅうご ページ17
「…成程、彼奴は法律違反で寮長に首をはねられ、そのまま家出していった…と?」
「多分、ね。トレイ先輩のタルトは美味しいけど、女王より先に手を付けるのは法律違反だった筈。…あの馬鹿…。」
軽くため息を吐いて、デュースを振り返る。
彼は少し神妙な顔をしつつ、心配そうに顔を歪ませていた。
軽く眉を下げ、人差し指をあげてみる。
「…ね、デュース。」
「…ん?」
「エース探しに行こっか。…多分、あんまり遠く____校舎の方には行ってないと思うし、案外早く見つかるかも。」
「本当か!!?…んんっ、あんの馬鹿、きっと監督性にすがりついてるんだろ。…早く行くぞ。」
「ふふ、デュースって意外とエース好きだよね。」
「うっせ、阿呆!」
からからと笑ってデュースを交わしながら、2人で抜き足差し足、寮を抜け出した。
しん、と静まり返る冷たい鏡舎を抜けて、メインストリートを突っ切り、ぱたぱたとオンボロ寮へ急ぐ。
早朝のオンボロ寮は、ほんの少しだけ怖かった。
暗く、何か人魂の様なものが浮遊している様にも見える。
隣のデュースの腕を力いっぱい握りしめながら、とんとん、と扉を叩いてみる。
しかし、暫く待っても人が出てくる気配はなかった。
もう一度叩いてみようか、と軽く拳を握り締める。
が、それはデュースの手によって遮られた。
「デュース?」
「…ここは、僕に任せてくれ。」
言うがいなや、彼は拳を振り上げ、強くオンボロ寮の扉を叩く。
ごんごん!!と鈍い木の音を聞きながら、思わず肩をすぼませた。
そう言えば、デュースはA組の腕相撲で負け無しだったか。
サバナクローの寮生が熱心にマジフト部に誘っていたのを思い出していれば、扉の向こうから、軽い物音がひとつ。
それと同時に、かちゃん、と鍵が開く音がした。
ばんっ!!
大きな音を立てて扉を開けたデュースの後ろから、寮の中を覗き込めば、特徴的な赤髪が見えた。
思わず苦笑してしまう。
ここまで予想が当たっていたとは。
「やっぱり、ここに居たんだな。」
「エースの考えなんてお見通しなんだからね。」
「…ッげ、デュースにA……。」
「Aから聞いたぞ。寮長のタルトを盗み食いして首輪を嵌められるなんて…お前、相当馬鹿だな。」
「うるっせ、お前にだけは言われたくねー!…所で、寮長まだ怒ってた?」
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青碧(プロフ) - かな大福さん» トレイ先輩素敵ですよね!こちらこそ閲覧いただきありがとうございます! (2021年9月12日 21時) (レス) id: 3cff5be0f2 (このIDを非表示/違反報告)
かな大福 - トレイ先輩大好きです。見れて嬉しいです。 (2021年8月23日 13時) (レス) id: 56b58a1cc8 (このIDを非表示/違反報告)
青碧(プロフ) - 豪炎寺修也推しさん» 初めまして。 ふふ、トレイ先輩素敵ですよね!彼の魅力を存分に引き出していこうと思います笑 そう言っていただけて嬉しいです!更新頑張りますね!! (2021年1月2日 15時) (レス) id: 138836bbb2 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺修也推し - 初めまして、コメント失礼します。最近ツイステにハマり始めた新参者で、トレイくんが素敵だなぁと思ってこちらの作品を目に通させて頂きました。すごい面白いです!これからも見ます、更新頑張って下さい! (2021年1月2日 14時) (レス) id: 619493ea8b (このIDを非表示/違反報告)
青碧(プロフ) - 蛇口さん» 今回は一年生です…!! トレイ先輩の優しさに酔いしれちゃってくださいね笑 更新頑張ります! (2021年1月1日 20時) (レス) id: 138836bbb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青碧 | 作成日時:2020年12月31日 20時