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「はぁー…別にいいぞ」
『え、本当に?』
予想外の返答が返ってきて、思わず聞き返してしまった。だけど、承諾してくれるなら気が変わらないうちに終わらせようかな。
『じゃあ、早速爪借りていいかな?』
「ああ。言っておくが、一兄の為だからな!勘違いするなよ!」
『ふふ、分かってるよ』
僕の向かいに座る一郎くんの隣に座ると、手の甲を上にして手を出してくれた。常にカバンの中に入っている用具一式を取り出すと、三郎くんの爪にネイルを施していく。僕はこの爪が段々と綺麗に彩られていく瞬間が大好きで、この仕事をしている。この瞬間と、終わった後のお客様の嬉しそうな顔が一番のやりがいだと思う。
「ふーん…悪くないんじゃないか?」
「意外と気に入ってんのな」
「うるさいぞ、二郎!」
『あはは、気に入ってもらえて嬉しいよ。写真撮ってSNSにあげさせてもらっても大丈夫かな?』
「ああ、それくらいならいいぞ」
碧棺A@Ao_hitsugi
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Buster Bros!!! 山田三郎くんの爪をお借りしました
(爪シミュレーターをお借りしました)
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『それじゃあ、仕事もあるし僕はお暇します。お代はこれで足りるかな?』
「はい!ありがとうございました」
『こちらこそ。またね、一郎くん、二郎くん、三郎くん』
ひらひらと手を振って萬屋ヤマダを出ると、そのまま自分の仕事場であるネイルサロンに向かった。僕が雇われるサロンは、働いている人が全員男性だ。だから、非常にやりやすい。
『おはようございます』
軽く挨拶をして、荷物だけ置き席に着く。さて、今日はどんなお客様が来てくれるだろう。
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作者名:眠兎 | 作成日時:2022年1月6日 21時