ランチ ページ18
シブヤの駅前。訳あってシブヤへ来てみると、何やら聞きなれた声が聞こえてきた。
「お願いします！昼飯だけでも恵んでください！」
道行く人に声を掛けながら頭を下げる、青髪の男性。そんな人僕の知り合いの中には一人しかいない。取り敢えず、このままにしておくのもよくないから、と、未だ頭を下げ続ける彼に声をかけた。
『帝統くん、少しいい？』
「あ！Aさん！金貸してくれるんすか！？」
『お昼ご飯代くらいなら出すけど…』
「あざーす！」
パッと顔を上げた帝統くんから向けられた熱い眼差しを裏切ることができず、ランチを奢る約束をしてしまう。まぁ、もともとそうするつもりだったから、なんでもいいんだけど。
「おや、Aさん。やめておいた方がいいですよ、彼は一度奢ると一生たかってきますから」
「酷くねぇか！？」
『あはは、大丈夫ですよ、幻太郎さん。あくまで僕はお昼ご飯を奢るだけですので』
「ええ、それが賢明かと」
「んな殺生な〜！」
そうしてついたのは幻太郎さんイチオシのカフェ。奢りだとわかった途端大量の注文をしだす帝統くんを、幻太郎さんが呆れながらも止めていた。
『いいんですよ、幻太郎さん。先に奢るって言ったのは僕ですし』
「ですが、そこまでして頂いて何もしないというのもよくありませんし…何かお手伝いできることがあれば何でも言ってください。帝統に」
「俺かよ！」
「当たり前でしょう、奢ってもらっているのは貴方なんですから」
「それはそうだけどよ…」
見ているだけで仲の良さが伝わってくるようなやり取りにふふっと笑った。
『なら、ひとつだけ頼みごとをしてもいいですか、帝統くん？』
「な、なんだ…？」
『そこまで身構えなくても…知っているとは思いますが、僕、ネイルアーティストをやっているんです。よければ爪を貸していただけないかな？』
「そんぐらいならいいっすよ！」
『ありがとう。それじゃあ、じっとしててね』
碧棺A@Ao_hitsugi
当店ではこのようなネイルを施しております✨
スタッフは全員男性ですので、男性の方も遠慮せずお越しください！
Fling Posse 有栖川帝統さんの爪をお借りしました。
(爪シミュレーター様をお借りしました)
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作者名：眠兎 | 作成日時：2022年1月6日 21時
