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「もちろん、レオンハルト殿が現状を改善しようと奔走しておられるのは分かっています。しかし、__」
「あーっ、もういい。リリアンヌ様もそうだがお前もまだガキだ。世の中の面倒臭さってもんがまるで解っていないんだ。」
ついに養父が苛立ちを表に出してきた。
この人はいつだってそうだ。
良くも悪くも融通が利かない。自分の信念を曲げず、他人のちゅこくに耳を貸そうとはしない。
(これがなければ悪い人では無いんだけどな。)
間に立ったシャルテットが無言で気まずそうな顔をしている。それに気が付いた養父が、雰囲気を変えるかのようにコホンと咳払いをした。
「さて、所でだ。」
養父が話題を変えてきた。
「ここに来る前に馬小屋に寄ったんだが、今リリアンヌ様は出かけているのか?」
「そんなはずは……無いと思いますが、まさか誕生パーティを行う日に出かけるなど…」
嫌な予感がした。
養父が訝しげな顔で言う。
「そうか。でもな、馬小屋にいなかったぞ。ジョセフィーヌ。」
ジョセフィーヌというのは、リリアンヌ様のお気に入りの馬の名前だ。
「まさか、盗まれたとか?」
僕の返答に対し、養父が首を横に振った。
「それはあり得ないな。今日は警備も一段と厳しくなっている。そう簡単に王宮への侵入など。」
「侵入者への警戒を強くしている分、脱走者には十分な注意を払えていない等ということは…」
養父の顔色が変わった。彼も事の深刻さに気が付いたようだ。
「おいおい、まさか…」
その時、王宮内から女性の叫び声が聞こえた。
ネイの声だ。僕の代わりにリリアンヌ様のおやつ当番になったバズの彼女の悲痛な声がこの庭園にまで聞こえてきた。
「リリアンヌ様〜〜〜〜!どちらに行かれたのですか〜〜!リリアンヌ様〜〜〜〜〜!」
僕たちは顔を見合うと、声の聞こえて方へ急ぐ。王宮に入り、鏡の間へ入ったところで、声の主を見つけた。
彼女がここまで取り乱しているということは間違いなくただ事では無い。

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グーミリア(プロフ) - 面白いです。更新停止中ですが、できればまた更新再開してほしいです。 (2018年2月10日 22時) (レス) id: 145b7ae1e9 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ(プロフ) - 面白いです。之からも更新頑張って下さい。 (2017年11月16日 18時) (レス) id: bacf7e1cb1 (このIDを非表示/違反報告)
メカサ - 面白いです。読んでいるうちにアレンの心境が解ってきました! (2017年10月20日 21時) (レス) id: ebb840baa2 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - Chisa♪さん。励ましコメントありがとうございます。 (2017年10月2日 10時) (レス) id: b61dec425a (このIDを非表示/違反報告)
るる(アレン(ノ=´∀`=)ノLOVE♪) - 悪ノ娘の小説が好きなので、夢小説が出来て良かったです。更新頑張ってください。 (2017年10月2日 9時) (レス) id: 2df6cd2a67 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年6月10日 9時

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