だって、先輩、だし。1 ページ10
斉藤「ねぇA」
A「何、壮馬」
壮馬は私に話しかけてきたが、言いにくい事なのか、何度も口を開いたり閉じたりしている。
やがて壮馬の口が真一文字に結ばれ、口が開いた。
斉藤「あの…さ。Aって、好きな人とかいるの?」
…好きな、人。
自分が認めたくないだけの人なら
A「…いる」
斉藤「あー、やっぱり」
…ん?今『やっぱり』って、どういう事よ
バレ…てた?
斉藤「もしかして今、何でバレたんだろう、とか考えてたりして____」
A「う…あぅぃ…」
斉藤「因みに、相手が誰かも予想ついてるから」
A「…今度ご飯奢ります壮馬様」
斉藤「それでね、俺、考えたんだけど。」
壮馬の表情が真剣になる。
斉藤「もしかしてAは、俺との過去引きずって、ちゃんと恋愛出来ないんじゃないか、って、ずっと考えてて。…この前のラジオの時もさ、辛そうな顔してたし、無理矢理笑ったりして…。」
やっぱり、壮馬には気づかれる。
A「俺、その時思った。俺となら、過去の事を、少なくとも他の人よりかは気にしないでいられる。」
私だってKYじゃない。
…大体この後の展開は…
斉藤「俺は、中学の時からずっと、Aの事女性として好きだった。」
A「知ってた。壮馬が私の事に気づいたように、私もなんとなくその事については気づいてた。」
斉藤「そっか…。
Aの隣に男としているのって、俺じゃ、ダメかな…」
泣きそうになる。
壮馬の想いを知ってるから。
ずっと隣で見てきたから。
A「私だって、壮馬の事、男性として見てたよ。…あの時までは」
斉藤「それも知ってた。というか、聞いた」
幼馴染みって案外凄いのかもしれない
…私の脳裏に、あの日の事が蘇る。
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作者「作者!はよ良平さん出せや」
私「ごめんなさいいいいいい」
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作者名:奈々様LOVE(そーと。) | 作成日時:2021年12月14日 22時