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だって、“先輩”じゃ嫌だから。2 ページ22

ゴクリ…



覚悟を決めて、目の前の良平さんに話しかける。



A「あの、良平さん!」


木村「ん?何か…」


A「あの!良かったら、ご飯食べに行きません、か?」


木村「え、あ、う、ん。い、行きたいね〜…」


A「…!もしかして、嫌でした?…シュン」


木村「えぁ、い、嫌じゃないよ。」


A「というか、なんか顔が赤いですよ?もしかして熱でも…」


木村「違う!違うから!」


A「無理だったら本当に大丈夫です」




そう言うと良平さんは怒ったような雰囲気に。



木村「お前なぁ…」


良平さんの低い声が響く。
…ヤバい、マジで怒らせちゃったかも。




A「あの、良平さ…」




グイッ








…え…?



良平さんの顔がすぐ近くにある。



というか、私は上半身を反らして良平さんを見上げている状態だ。







…今気づいた。



私、良平さんに顎クイされてる…!?



自分の体温が急上昇するのがわかる。



え、待って無理。



A「良平さん!?何してるんですか!?」


木村「ごめん、Aが俺の話を全く聞いてないのが悪いんだよ?」


A「ごめ…」




怒らせちゃった…




木村「行こ」



手を差し出す良平さん。




私は震えながら右手を繋いだ。


木村「あ、もしかして緊張してる?」


A「…〜〜っもう行きますよ!」




私は恥ずかしくて強引に良平さんを引っ張った。
そしてそのまま連れて行こうとすると、



木村「待って、まだやることが…」


と言われた。


A「まだ、何か…」



スッ



良平さんの指が私の頬を撫でる。



A「…!?!※○◆@%&#ー!」






なななななな何するんですか!?



ちょ、え、あ、うう、



良平さんの指はそのまま右側にスライドし、人差し指がそっと私の唇に当てられ、



良平さんが口パクで何か言った。






木村「(す、き)」




何て言ったのかな…



私の唇から指が離れる。

…すっごいドキドキしたぁ



A「さっき、何て言ったんですか?」



良平さんはふっと笑って、





木村「俺もAと同じだよ?」







…と言っただけだった。



木村「ん」



再び差し出された手を握って、顔を隠しながら良平さんの隣を歩いた。








________いつか、先輩後輩じゃない関係で隣を歩ける事を願って。

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作者名:奈々様LOVE(そーと。) | 作成日時:2021年12月14日 22時

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