【あんスタ】甘美なキミがとろけてしまう前に【逆先夏目】 (ページ9)

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７話ページ9

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「で、話っテ？」

「先に言っておくけど告白とかじゃないからね？」

「あっそウ」

Aがいかにも子供っぽいオレンジジュースをストロー越しに飲んでいく
そしてコップをテーブルに置いてそのままテーブルに突っ伏した

カフェに呼び出されて告白か何かを期待した自分がバカだった

「聞いてくれよ～」

「何」

「もう私どうすれば良いのか分かんないんだよ、聞いてくれよ夏目くん」

「ハイハイ」

酔っ払ったおっさんか

とでも言わせるように脱力するAに呆れるようにため息を吐いた
僕はテーブルに肘をついてAに語りかけた

「何かあっタ？悩んでるなら聞くヨ」

「私実はさ……本当は結構前から好きな人が居たんだ。ていうか現在進行形」

……は？

顔を埋めたAの発した言葉に驚いて目が見開いた

今までAと遊んでた男のことは幼い頃からなるべく油断せず見ていた気がしていたけど僕が油断しているうちにいつの間にか恋心を抱くようになっていたのか

「でも勝手に無理だって思い込んじゃって、自分のことをずっと愛してくれる人の優しさに漬け込んじゃったんだ。それで幸せって感じるんだ、ねぇ、これってどう思う？」

「 …相手がそれを理解してまだAのことが好きならいいんじゃないノ、最もボクは認めないけどネ」

「え？」

Aがむくりと起き上がって僕を見つめた
それは何か望んでいるような、はたまた嫌がっているのか

いじめたくなる顔だ

「 ……別にそういう訳じゃないかラ、一応幼なじみ的な関係だし多少は考えるでショ」

「はいはい、知ってますよーだ」

実際洗いざらいぶちまけた方が僕的にも楽なのかもしれない

でもそれだけじゃ物足りない
じっくり甘やかして、優しくして、確実に射止めていく方が良いと僕は考える

だからまだ恋事情に悩むAに僕は手を出さないんだ

「どうしたノ、顔赤いヨ？」

「 …お子さまがお姉さんを挑発したらダメですよ」

「ッ、お子さまじゃないかラ、オレンジジュース飲んでる方がお子さまじゃなイ？」

「オレンジジュースは美味しいからオッケー、大人も飲むんだよ！」

「はァ、……そうですネ」