（ぷよぷよ）雨の日に現れる少女 (ページ9)

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第８話ページ9

さっきと変わらず、ボーっと眠そうな顔して前を向いているシグくん。
アミティの言った言葉が気になってまた私は、シグくんの顔をじーっと眺めていてしまった。

シグ「‥‥？」

また、シグくんが不思議そうにしてこちらを見つめてくる。
私は、またさっきのように謝って何もなかったようにすればいいと思い口を開こうとした。
だけど、私より先に何故かシグくんが言葉を発した。

シグ「ねえ‥‥」
貴「あぅ、あ‥‥はい‥‥？」

いきなり話し掛けられたから変な声を出してしまった。
あ、結構恥ずかしい。
しかしそんな事は気にもしてないのか、シグくんは、そのまま続ける。

シグ「昔、どこかで会ったこと‥‥ない？」

貴「え‥‥？どこかって、シグくんと？」

シグ「‥‥‥‥うん。」

え‥‥っと、どういうことだろう。
シグくんと、昔会ったことってない‥‥はず。
なんで、こんなことシグくんが聞いてくるのか、わかんないけど、

貴「ごめんね、わかんない‥‥や。」

シグ「‥‥」

え、ちょっと待ってよ。

なんで、

なんでそんな、

悲しい顔をしているの‥‥、シグくん。

もしかしたら、本当にどこかで会ったことがあるのかもしれない。

昔の記憶をどうにか思い出してみる。
でも、やっぱり浮かんで来るのはアミティや、両親と過ごしたことばかり。
‥‥でも、その時何かの記憶が頭をよぎった。

「A、一緒に遊ぼー。今日も色んなとこに連れてってあげるー！」

家の玄関の前で、私に向かって微笑んでいる男の子。
こんなこと、あったっけ‥‥？
自分の記憶のはずなのに、何故かパッとしない。
もっとよく思い出そうとした時‥‥。

キィーーーーーーーー‥‥ン

貴「ぁ‥‥‥‥っ！」

シグ「！？」

まだ、教室に、先生が来ていない状況なのに、頭が割れそうに痛くなった。