知っていたはずなのに ページ30
ハ「なんで･･･ですか･･･？好きだって今言ったのにっ、師匠だからなんていうんですか！！今の彼女の素直な気持ち受け入れられないんですか！！」
三浦ハル、笹川京子、ビアンキ、イーピンですか･･･見られていたとは思いませんでした。いえ･･･むしろ彼女たちが考えたことなのでしょう。
もちろん彼女が言ったことはわかっています。ですが･･･
風「この世にはどうにもならないことがあるんですよ。これもまた然りです」
ハ「わかりません！Aちゃんずっと好きじゃないって否定しててやっという気になってくれたのに！！こんなんじゃ彼女報われません！！それに、ほんとに好きじゃないならまだしも好きって言ったじゃないですか･･･」
風「えぇ、好きですよ。私の一番大切な子ですから。今までもこれからもそれは変わりません」
ほかの方は微妙な雰囲気に目を伏せたり･･･こちらをじっと見ていたり･･･イーピンも不安そうな表情をしています。
イ「お師匠様･･･嘘よくない･･･」
風「フゥー･･･そうですね。でも幸せのための嘘も必要なんですよ？彼女が幸せになるためそれを望んでの嘘なら私はいくらでもつきましょう･･･」
これも愛情なんです。いえ･･･分かってはいるんです。彼女は今にも泣きそうな表情で震える手を握り締めながら私にほんとのことを打ち上げてくれたことも。
そして･･･きっと私への想いを断ち切るための掛けをしたんだろうと思われる彼女の気持ちも。もしそこで私が彼女を好きだと言ってしまっては彼女の重荷にしかなりません。
彼女とのつながりが切れるのが怖いのです。それに必死に自立しようとしてる彼女の邪魔はしたくありません･･･そして･･･きっと呪いが解けたとはいえ何に巻き込まれるかわからない私といるより
普通の幸せを彼女に掴んで欲しいと私は思うからこそ彼女の思いを知りながら自分の思いに嘘をついてまで、彼女のために幸せのための嘘で偽ったのです。
それがいいことかどうかはわかりません。
ビ「あなた･･･それでよかったの？ほかの人にあの子取られるわよ･･･？」
風「えぇ･･･承知の上です。それであの子が幸せになれるなら私は構いません」
ホントは抱きしめてしまいたかった。泣きそうな彼女を、覚悟した表情でこちらを見る彼女を抱きしめてしまえばこの関係は変わったのかもしれません。それでもかけがえのない繋がりを捨てたくないんです･･･
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革ベルト
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作者名：湊 | 作成日時：2012年11月1日 11時
