【w。r。w。r。d】白旗を破り捨てる。【g。r】 (ページ48)

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戦争は幕を閉じた。
Aが参加してから勢力を増し、そのまま敵国を攻めた。ロボロからの報告をグルッペンが受けとり、それをグルッペンが全幹部に知らせる。そうして幕を閉じた戦争の直後、グルッペンは城の前で周りをうろうろしながら見ていた。

「...なにしてんの、あれ」
「さあ？」

城から見ていたシャオロンと鬱は不思議そうにそれを見ていた。トントンは戦後の処理に追われ始めていた。
グルッペンはぼうっと先を見ながらAを待った。戦争中、休息として戻ってきた幹部らは全員見た。しかし、Aだけは1度も見かけなかったのだ。2ヶ月も続いた戦争で、1度も会わなかった。ゾムたちに無事だと言われるだけで、グルッペンは戦争中ずっと不安そうな面持ちだった。
戦争が終わったのは今日の夜中。日付が変わってすぐの出来事で、もう朝になってしまっている。グルッペンは奥から人影が見えると、そちらの方を向いてそれを凝視していた。
やがてそれが待ち焦がれていた人物だと知ると目に涙を滲ませた。相手もグルッペンに気がついたのか、小走りで近づくとそのまま城門を通り抜けてグルッペンに抱きつく。彼女の笑い声がグルッペンの鼓膜を震わせた。

「ただいま、グルッペン」
「...ｯ心配したんだぞ、お前」
「ごめんって、」
「...敬語」
「敬語の方がいい？」
「いや、」

Aをぎゅっと抱きしめたまま離さないグルッペンは首を横に振った。グルッペンの心配様にAは少し笑い、そんなに心配しなくても私はそんなにヤワじゃないよだなんて言葉を零す。

「...ｯでもお前に怪我されたくないんや」
「あははっ、言うなあ」

暫くは離してくれない事に気づいたAはグルッペンの胸元に顔をうずめ、グルッペンの黒い服が視界いっぱいに広がった。黙り込んで抱きしめたままのグルッペンはAの存在を確認するかのように腰にまわした腕の力を強める。仕方ないなあ、とAはけらけらと笑い続け、グルッペンはその笑い声に安堵を覚えながらそっとAを離した。

「満足した？」
「...あぁ」

グルッペンがふっと笑うと、Aは満足そうに息をつく。

「...お前のことがずっと好きだ。」

グルッペンの言葉に、Aは戸惑いを見せなかった。返事の代わりに、Aは煽り文句を彼女らしく言い放った。

「グルッペンの心を盗んだ私の勝ちだね。」

元仕えた国は盗まれちゃったけど、ね。