【w。r。w。r。d】こちら、名折れ捜査サーカス団員。 (ページ20)

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論より証拠。ページ20

「そして、生徒会役員がとある一般生徒に書類を渡した、ということの関しては証拠があるので。論より証拠、百聞は一見にしかず、ですので」

Aはポケットから1枚の写真と録音機を取り出した。写真を見た生徒会役員は驚愕の表情を見せ、彼女を次々に凝視した。視線が集まる中で彼女は否定する声をあげる。しかし、いくら彼女を好いているからといって彼らも盲目になるほど頭が悪い訳では無い。疑うような視線をじっと向けられた彼女はついに黙り、下を向いた。

「...その書類を渡された一般生徒は精神的に辛い状態なので呼んでいませんが、ね。生徒会長、副生徒会長辺りなら気づいていらっしゃるでしょうが、一般生徒に全面的に仕事を押し付けている。」

精神的に辛く、一時期は自ら命を絶つことを考えたほどの生徒がまさかの生徒会役員に虐げられている。
どういうおつもりですか。
Aは余っていた写真をポケットから取り出すと、机に置いた。加えて、もう1つ録音していた音声を録音機のボタンを押して流す。
失望する生徒会役員や、睨むような視線を向ける生徒会役員。様々だった。

「...で、如何でしょうか。自分の悪事が全てバレてしまったお気持ちは。」

Aがキッとレナの方を見ると、彼女は動揺で顔を真っ青にしたまま震えていた。やがてじわりと目尻に涙を浮かべると、ごめんなさい、ごめんなさいと言いながらほろりと涙を零した。

「...既に校長から印鑑も貰ってます。」

Aは“退学処分”と大きく書かれ、下の方に校長のサインと印鑑が押された紙をずいっと前に出して見せびらかす。その表情は確かに何かを決めた顔で、レナはそれを見た瞬間ひっと情けなく声を上げる。Aは口角を上げて頬を緩ませると、優しい声色で言った。

「でも、貴女にこれは必要ない。」
ビリッと大きな音を立ててAは退学処分と書かれた紙を破った。