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「っと、てつやは……」
ベンチに腰かけた私はずっとてつやを探していた。
まだ順番来ないのかな、てつやの顔見たいな、なんて気づけば乙女なことを考えている。
プルルルルルルル
何度目かの発車の合図。
ガタガタといいながら上へ上へと登っていくコースターを見ていると、一番後ろの一人が私のほうを向いて手を振っていた。
目を凝らせばそれはてつやだった。
私が気づいたのがわかったのか、てつやは手の振りを大きくする。
子どもみたいだ、なんて思いながら私も手を振り返す。
ジェットコースターも頂上に登り、前のほうのコースターの角度が変わる。
コースター全体が下り始め、速度が増していく。
それと同時に、キャーという楽しそうな声が響いてきた。
てつやも両手を上に挙げてすごく楽しそうな顔をしていた。
私も自然と笑顔になる。
その時だった。
「ぅぐっ!?」
誰かに後ろから私の口を布か何かで塞がれた。
必死に抵抗するが、男性なのかびくともしない。
「んー!んー!!」
誰かに助けを求めようと声を出すが布に吸収されてしまい届かない。
それに近くには人が通っていない。
きっと皆ジェットコースターのほうへいるのだろう。
じたばたしているうちに意識が遠のいてきて、私はふっ、という野太い声を最後に意識を手放した。
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らんご(プロフ) - りぃとさん» ありがとうございます!がんばります!! (2019年10月24日 20時) (レス) id: d9eb04b864 (このIDを非表示/違反報告)
りぃと - 受験勉強、受験。頑張ってください!! (¶'∀'¶) (2019年10月22日 14時) (レス) id: 97dbed4d9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らんご | 作成日時:2019年9月12日 18時