大っ嫌い。でも、 (ページ33)

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「っし、A帰ろ」

いつのまにかてつやも部室に来ていて、何故か一緒に帰ることになった。

まあ別に嫌ではないので、うん、と呟き部室を出る。

「あ、A帰るの？」

部室を出るとちょうどりょうくんに会い、質問された。

「うん、なんかてつやも一緒なんだけどね……」

苦笑いをしながら言うと、後ろから声がした。

「え、俺と帰るの嫌なん？」

後ろを振り向くと、悲しそうな子犬のような顔をしたてつやがいた。

どこでこんな顔を覚えたのだろうか……

「や、別にいやってわけじゃ……」

少し否定すると、ぱぁっと顔を明るくして私の腕を引っ張った。

「じゃあ帰ろ！りょうまたな～」

「じゃあねー、2人ともまた明日～」

りょうくんもにこにこしながら手を振っていた。

校門を出て、やっとゆっくり歩けると思っていると、てつやが口を開いた。

「……今週の日曜空いとる？」

今週の日曜か……

んー、特に予定はなかったはずだ。

「空いとるよ」

「まじ？じゃあさ、遊園地行かん？」

遊園地かぁ……

楽しそうだけど……

ん？まさか2人とかじゃないよね……！？

「あ、2人じゃないから。ゆめまると美里亜もおる」

てつやは私の心を読んでいるかのようにタイミングよく言った。

2人じゃないのか……

安心したような、少し悲しいような……。

「で、どう？行ける、？」

「……っあ、うん、！行ける」

えっ？私は何を言ったんだろう…

全然行けるか分かんないのに…！

「ほんとっ！？っしゃ！」

断ろうと思ったが、てつやはこれでもかというくらい喜んでいた。

ほんとに犬みたいだ。

いつか尻尾が生えてきそう。

これでは断れないなぁ……。

「じゃあ、詳しいことはあとでメールする！」

「うん、わかった」

そこからは特に何か話すこともなく、家に帰った。