大っ嫌い。でも、 (ページ2)

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｢今日から臨時で陸上部のマネージャーをすることになりました、1年の岩崎Aです。宜しくお願いします。」

私はもともと野球部のマネージャーだった。

でも、陸上部のマネージャーの子が結構重めの病にかかってしまったらしく、入院するのだそうだ。

しかもその子はてつやの彼女で、てつやの事が好きすぎる、俗に言うヤンデレというやつらしい。

と、まあこんなことはどうでもよくて、中学でも陸上部のマネージャーをしていた私がすることになったのだ。

にしても何故てつやがいるのに引き受けてしまったのかと少し後悔している。

気が付けば皆はもう練習に取り組んでいた。

…こいつ以外は。

｢A、だよね？お、覚えてる？俺だよ俺、てつや！」

話しかけてきたのは紛れもなくてつやだった。

話し方も何も変わっていない。

｢そうだよ。覚えててくれたんだね、久、しぶ、り。」

そう返すとてつやは、ぱあっ、と顔を明るくして勢いよく私に抱き着いてきた。

甘えてくるのも変わっていない。

｢Aだっ！……俺Aに何かした？A全然話してくれんから俺寂しくて。」

｢いや、てつやは、」

言いかけたときに私がてつやにハグされている状態だったことを思い出した。

｢て、てつや、一回離れてくれん？」

｢あ、そっか。ごめん」

｢へ、平気。てつやは何もしとらんよ。ただ、っ、ただ私が話しかけらんなかっただけ。」

｢そか。なら良かった～。じゃあ、俺練習行ってくるげえ。またあとでな。」

｢うん。頑張ってね。」

久しぶりにてつやと話したが、上手くやっていけるだろうか。