高校教師の備忘録【男主】

【13話】信用 ページ14

ーーー


「………貴方、一体何者なの……!!?」


『…ただの高校教師ですよ。』(ﾆｺ


彼女は京から離れ、ギロリと睨みつけた。


『そう警戒しないで…。
まさかそうだとは思ってもいませんでしたよ。』


京は立ち上がりそっと彼女に近付いた。
近づく度に彼女は一歩一歩後退る。


彼女に向けて手を伸ばし…ーーー


「…！」


彼女を優しく抱き締めた。

『…辛かったでしょう。』

「…そんな、こと…」


『…見た感じ君は何かを背負い過ぎです。
周りから見えなくても私には見えますよ、
君がどれだけ苦労して今まで生きてきたのか…
私は君の2倍くらい長く生きてますから。』



「…信じてくれるの‥？私が‥子供じゃないのって」


『はい。君を信じます。』


「‥‥信じてみるわ…貴方のこと。
もし、裏切ったら…」
『いえ…死ぬまで君を信じますよ、
どうせあと残り少ない人生ですからね』(ｸｽｯ


「…そう、ありがとう…Aさん」


『…いつでも構いません、君が背負ってるもの
私にも背負わせて下さい。
例え、とても重いものでも…』

「うん‥だったらAさんが背負ってるものも
私にも背負わせて？」

『‥！』

「‥私には分かるわ…
Aさんが辛い思いしたって事。
それを私にも背負わせて、お互い様でしょ？」


『…君には全て隠せそうにありませんね。』(ｸｽｯ


ー


「何やってんだ？二人で抱き締めあったり泣いたり笑ったり忙しい奴等だな」

「何よ、貴方だって蘭さんの前では猫被って演技してるくせに‥」

「なっ‥‥!!!?///っておい‥！」

コナンくんは何かを察したように彼女を引っ張り
何か小言で耳に囁いていた。

まあ、大抵自分の事だろうと京は思っていた。


『そんな演技をしていても私にはバレバレですよ。


ーー……工藤新一くん。』


「なっ……!!!?んでそれを……!!?まさか…!!?」

『いえ、君が思ってる人じゃありませんよ。
君達より長く生きてますから、
そんな事で驚きもしませんよ。』



『まあ、大抵先生の勘ですけどね』(ｸｽｯ


「……ホントに一般人なのか今でも疑うよ」


『完全な一般人ですよ、
君達より長く生きてる人間です。』


「まあ、詳しい事は後日って所かしらね。
あの子達暇そうにしてるし…」

『そうですね。
では、私はこれで…。買い物もしたいですし』

京は向こうの子供達にも挨拶を済ませ公園を去って行った。

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