［１４］最後の感情 ページ9
渡辺side
『CDの発売日に生配信することが決まりました』
そうマネージャーから
メールが来たのは1週間前のことだった。
そして今は普段からリハーサルなどで使っている
スタジオでテーブルと椅子を並べて
その生配信に向けての打ち合わせ中。
「やっぱり多少なりとも
ゲームは動ける感じがいいな〜！」
「あ、じゃあこっちの方が良くない？」
「俺もそっちの方がいい気がするかも」
「じゃあもうこれならオープニングの時にさ……」
打ち合わせ内容はゲーム企画の選定や
目玉であるライブパートのパフォーマンスについて。
みんなそれぞれアイディアを出しながら
見てくれる人がより楽しんでくれるように、
俺達の気持ちが伝わるようなスタイルで進めていく。
……そんな中。
「ふぅ、っ」
(っ……気持ち悪い……)
打ち合わせを始めて約40分。
始まりからずっと我慢していた吐き気と頭痛が
誤魔化せない状態になり始めていた。
最初こそ意見を挙げていたものの、
中盤から徐々に荒れだした体の不調に
何も話せずただ頷くだけ。
今はもう冷や汗が止まらなくて
ギュッと服を掴んで、俯くので精一杯だ。
次第に頭痛から軽い耳鳴りまでし始めて
血が足りていないようにサァーっと
目の前が眩しくて開けているのが億劫になりだした。
「……翔太」
「っ、ん？」
「大丈夫？」
隣に座っている涼太が話し合いの輪から外れて
俺だけに聞こえる声で話し掛けてくる。
なるべくバレないようにしてたけど
所詮、幼馴染には無駄な足掻きだったらしい。
返事も出来ないまま深呼吸を繰り返していると、
そっと背中に手を置かれる。
「もしかして吐きそう？」
何も言ってないのにどうして分かるのか。
当然、黙り込んでいる俺の様子に
肯定だと捉えた涼太はみんなに伝えるように
「ごめん」とすぐに手を上げた。
「ちょっとトイレ行ってきてもいい？」
「ん？ あっ、いいよいいよ。
大丈夫？ 舘さんだけで行ける？」
「俺連れてこうか？」
「ううん。俺が連れて行くわ。続けてて」
涼太しか話していないのに
部屋に居る全員からの視線が俺に集まっていく。
あー。絶対にバレたわ。
けどそれに気を取られてる暇はなくて。
グラグラする頭をなんとか堪えて、
涼太に肩を貸してもらいながら立ち上がった。
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つらら(プロフ) - わたあめのサブさん» わたあめのサブさん、２のフラグの件ではありがとうございました！ そしてコメントありがとうございます！ 私も安心して限界を書いているのでそう言ってもらって嬉しいです。笑 この先はまた一段と目まぐるしく地獄が訪れますので是非ともよろしくお願いします！笑 (2021年4月22日 10時) (
レス) id: d8343dd607 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめのサブ(プロフ) - 初めてのコメント失礼致します＾＾結末が約束されているので、どんどんボロボロになっていく渡辺さんを楽しく安心して見ていられます。笑 まだまだ展開があるのかな？ワクワクしながら読ませて頂きますね＾＾ (2021年4月17日 0時) (レス) id: 9660734c9a (このIDを非表示/違反報告)
つらら(プロフ) - ぬんさん» ぬんさん、コメントありがとうございます！ そしてとんでもなく嬉しいお言葉まで！ ぬんさんのご期待に添えるよう、この先も頑張りますので引き続き、物語の展開をお楽しみにして頂けたら幸いです！ (2021年4月10日 13時) (レス) id: d8343dd607 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - すごく面白いです！今まで見たことのない作風で、結末めっちゃ気になります！更新頑張ってください！ (2021年4月6日 1時) (レス) id: 86eb208196 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つらら
| 作成日時：2021年3月30日 0時
