166 ページ19
・
見つめ合う、数秒間
その整いすぎたその顔から、目を離すことができない
「……マジで惚れた？笑」
その人が馬鹿にしたようにフッと笑って、意地悪く口角を上げた
なに、この人。
かっこいい、なんて思った自分が恥ずかしい
「えー、ちょ、なんか言えって」
えぐるように私の目をのぞきこむその人
何をふざけてるのか。
私は最後にその人を思いっきりにらみつけた
おっ、と少しひるんだように後ずさりしたその人を横目に、横をすりぬける
さすがにもう追ってこない、と思ったのに、
「待てって！ちょい！！」
ああもう、なんてめんどくさいの。
それに顔が良すぎるのがまたムカつく。
その上、自覚してる感じもムカつく。
私に追いつくと、目の前に立ちはだかったその人
スタイルも良すぎる。ムカつく。
「……何か用ですか、」
冷たく見上げた私の視線と交わる、その人の視線
「用ないのに呼び止めるほどアホやないで」
いや、もう。
ほんとにめんどくさい。
「……君、名前は？」
明らかに自分がかっこいいこと、わかってる。
その人は自信満々に、かがんで私と目線を合わせた
同じ高さで見ると、かっこよすぎて思わずどきりとしてしまう
「……割と俺のこと、気に入ったんちゃうん」
いや、やっぱりかっこよくなんてない。
「新入生やんな？名前は？」
もう1度私に名前を聞くその人
教える、理由がない。
「……急いでるんで、」
「いやいやいやそんなこと言わずに！な！名前だけ！！」
それ知って、どうするの。
「…………どいてもらえますか」
「……うーわ、めっちゃつれないやん」
少しその人が引いたように見えた
これで諦めるか。そう思ったのに、今度は、
「……ま、そういう方が燃えるけど」
またあやしくささやいて、笑う
「じゃ、俺の名前、覚えて？」
知りたくもないのに、
「俺は、永瀬廉」
耳に入り込んでくる、少し高いその声
なぜか、この名前は忘れないだろう。そう思った
「言ってみ？ほら。永瀬廉」
面倒だ。
私は今度こそ、その人の横をすり抜けて歩き出した
「あ、そうそう、駅行くならそこ曲がってまっすぐやで」
後ろから道を教えてくれる
「んじゃ、またな〜」
歩き続ける私の背中に、
ふわりと軽い、永瀬廉の声が届いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 563人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「King&Prince」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
zzz(プロフ) - ここまでイッキ見してしまいました。廉先輩の様な厳しくも温かい優しさに触れあえて主人公ちゃんは幸せだよね…。どうか、みんなにとって最高な結末が待っています様に。 (2020年10月14日 19時) (
レス) id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
バカさん(プロフ) - 詩愛さん» 待つだけで涙出てきます (2019年12月23日 21時) (レス) id: dcf79e1d34 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - バカさんさん» ありがとうございます！そんな風に言って頂けてとても嬉しいです…まだまだ泣ける展開がありそうですが、最後までよろしくお願いします^^！ (2019年12月23日 21時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - みるちゃ。さん» いつもありがとうございます！好きだと言っていただけて本当に嬉しいです…これからも素敵なストーリーをお届けしますので、最後までよろしくお願いします^^ (2019年12月23日 21時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - みるちゃ。さん» いつもありがとうございます！好きだと言っていただけて本当に嬉しいです…これからも素敵なストーリーをお届けしますので、最後までよろしくお願いします^^ (2019年12月23日 21時) (レス) id: 00cf9e51b5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：詩愛
| 作成日時：2019年11月18日 19時
