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その日から私は、ティアラに頻繁に行くようになる。
理由は、うまく説明できない
おすすめされるケーキが毎回おいしいのもあるけれど、
なんだかまた別の理由で、
そのお店に、とても惹かれている気がした。
『こんにちは』
「いらっしゃいませ、お！A」
私が来店する度に、明るく手を振ってくれる海人
その存在はとってもありがたくて、
それと同時に時の流れの速さに、少し悲しくなる
海人と元の関係に戻れたということは、
もうあの恋が過去のものに、なってしまったように思えて。
『また来ちゃった』
「まじうれしいよ！ありがと。今日は何にする？」
『……ん〜、今日のおすすめは？』
いつも本当に、どれも美味しそうで困る
私が尋ねれば、海人は幸せそうに、えっとね、と呟いた
「ん、これ……、いやこれだな！こっち！」
『あ、これ？』
「そう！甘夏のショートケーキ。これにしな？」
『じゃあ、それにする』
「おっけい。ミルクティーも持ってくね、座ってて」
海人のケーキを選ぶセンスは、本当に信頼できる
それは何回かここに通って、わかったことだった。
目移りしている私にいつも、
その時にピッタリのものを、選んでくれる
いつもの窓際の席
しばらくそこで待てば、海人がケーキを運んできた
『ありがとう、いただきます。』
「どうぞどうぞ」
そしてひとくち、口に運ぶ。
今日のも、とってもおいしかった。
ふわふわと口の中から甘く、私を幸せにさせる
本当に嬉しいのに、幸せなのに、
それなのに、なぜか、
「………、A？」
『、ごめん、海人、』
「………なんで泣くの」
思わず頬を伝った雫を、指の腹で払う
幸せなのに、美味しくて泣く理由なんてないのに、
なぜかこのお店のケーキを味わう度に、
心が寂しくなって、急に切なくなって、
なぜかあの恋を、
あなたのことを、思い出してしまうんだ。
海人は、それ以上何も聞かない
ただすぐとなりで、私をじっと、見守っていた
『………ごめん、なんか、』
「………いや」
『ここのケーキ、本当においしいよ。』
これ以上泣かないように、無理矢理笑う
『…………私の、大好きな味。』
「ん、そっか。それはよかった」
海人もそっと、笑ってくれた。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» いつもありがとうございます。いろいろな見方をしてくださっていて本当に嬉しいです…！恋っていいですよね、本当に。最終章も何卒よろしくお願いいたします♡ (2022年6月12日 14時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんにちは。第３章完結、お疲れさまでした。廉くんの一心な思いを受け入れてほしい！と思いつつ、岸君への感情をもち続ける主人公ちゃんの一途さにも心打たれたりして。恋する気持ちって甘酸っぱくてやっぱりいいな。最終章も楽しみにしてます。 (2022年6月5日 16時) (レス) @page50 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
伶奈(プロフ) - 詩愛さん» もちろん読まさせてもらいます！💕最後まで岸さんと主人公ちゃんの恋を見届けます♡ (2022年6月3日 17時) (レス) id: 7a01d9d841 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 伶奈さん» コメントありがとうございます！いつも楽しみにしていてくださっているみたいで本当に嬉しいです…！最終章、公開いたしましたので是非読みにいらしてください♡ (2022年6月3日 13時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
伶奈(プロフ) - このお話めっちゃ好きで続きが毎回気になるところで切られてて早く見たいってずっと思ってます！！次が最終章なのがちょっと寂しいですが最後まで岸さんと主人公ちゃんの恋を全力で応援したいと思います💕 (2022年5月26日 0時) (レス) @page50 id: 7a01d9d841 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2022年4月13日 19時
