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・
「お待たせいたしました〜」
『ありがとう、』
窓際の席で待っていると、
海人が、ケーキ皿とティーカップを運んでくる
小さなカフェスペースは賑わっていたけれど、
海人は、ま、大丈夫でしょ。と言いながら、
そのまま私と話し始めた。
「え、でもほんと久しぶりじゃない？俺ら」
『そうだね、いつぶりだろ』
卒業式の日、
多分あの、海人と話せなかった日が、最後だった。
「Aは今仕事なにしてんの？」
『なんてことない事務職だよ』
「え、そうなんだ。すげえ」
『いやいや、特に何もすごくないって…』
「だって俺そーゆーの苦手。ここの事務もたまーにやるけど、まじわけわかんなくなる」
海人がまた、すげえなぁと呟く
なんとなく恥ずかしくなって、私は一口、ケーキを頬張った
すると、
『………、え、おいしい、』
「よかった。自信あんだよね、それ。まあ俺が作ったわけじゃないんだけど」
びっくりした、
ふわふわで、ほどよい甘さで、
中に隠れていたフルーツの存在感もある。
海人が何かしゃべっているけれど、
ちっとも頭に入ってこない。
今は、集中していたかった
この味に。この、幸せに。
「………おーい、A？どうしちゃった？」
海人が目の前で手を振って、はっとする
けらけらと笑っている彼
「その様子だとこれ、うますぎたか。」
『うん、ほんとにおいしい』
「だしょ〜！」
満足気に微笑む海人は、少しだけ瞳を潤ませている
なぜかわからないけれど、私まで泣きたくなった
どこか懐かしくて、愛おしかった。
・
『ご馳走様でした』
「ありがとうございます！」
お店から出る時、忙しそうにしていた海人に声をかける
すると彼は手を止めて、慌ててこちらにやってきた
「ねえA、またきてね」
『うん、そうする』
「約束だよ。待ってる」
待ってる、か。
岸さんも、永瀬さんもそう言ってたな。
またぼんやりと、あなたのことを思い出す
微笑んだままの海人に手を振り、お店の外に出た
ふと気になってケータイを見てみると、
いつのまにか消えていた、海人のSNSのアカウント。
卒業してまあまあ経つし、こういうことは最近よくある
だけど、岸さんのアカウントは、消えていない。
またそんなことを考えた自分が、嫌になった。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» いつもありがとうございます。いろいろな見方をしてくださっていて本当に嬉しいです…！恋っていいですよね、本当に。最終章も何卒よろしくお願いいたします♡ (2022年6月12日 14時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんにちは。第３章完結、お疲れさまでした。廉くんの一心な思いを受け入れてほしい！と思いつつ、岸君への感情をもち続ける主人公ちゃんの一途さにも心打たれたりして。恋する気持ちって甘酸っぱくてやっぱりいいな。最終章も楽しみにしてます。 (2022年6月5日 16時) (レス) @page50 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
伶奈(プロフ) - 詩愛さん» もちろん読まさせてもらいます！💕最後まで岸さんと主人公ちゃんの恋を見届けます♡ (2022年6月3日 17時) (レス) id: 7a01d9d841 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 伶奈さん» コメントありがとうございます！いつも楽しみにしていてくださっているみたいで本当に嬉しいです…！最終章、公開いたしましたので是非読みにいらしてください♡ (2022年6月3日 13時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
伶奈(プロフ) - このお話めっちゃ好きで続きが毎回気になるところで切られてて早く見たいってずっと思ってます！！次が最終章なのがちょっと寂しいですが最後まで岸さんと主人公ちゃんの恋を全力で応援したいと思います💕 (2022年5月26日 0時) (レス) @page50 id: 7a01d9d841 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2022年4月13日 19時
