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運ばれてきたのは、色とりどりのフルーツに彩られた、
今までに見たことのないケーキだった。
『………すごい』
「こういうんもたまにはいいっしょ。」
その時、私のお腹が鳴って、
永瀬さんがプッと吹き出した
「なに、お腹減っとったん？」
『、はい、実はペコペコで』
「あー、そうなんや。まああんま量多くないけど、食べないよりましやな。」
『そうですね、いただきます。』
「めしあがれー」
一口、口に運ぶ。
それは甘くて、だけどとっても爽やかで
永瀬さんらしくて、なんだかものすごく懐かしくなった
『…………、』
「………あれ、なんか味微妙やった？創作やからちょっと良くなかったかな。」
『違います、そうじゃなくて、』
私が慌てて否定すると、永瀬さんが首を傾げる
優しく、次の言葉を待ってくれる。
『、………本当にそうじゃないんです、そういうことじゃなくて、』
「おん、聴いとるよ。」
言葉を詰まらせる私に、彼の瞳が揺れる
『………、本当に美味しいなぁって思って。』
「マジで？嬉しいわ、それは」
『いつもずっと美味しいです。永瀬さんが作るケーキは、ずっと、……』
それ以上の言葉を、唐突に続けられなくなる
思い出してしまった、あなたのことを。鮮明に。
どうしようもないくらい、がむしゃらにその背中を追いかけた日々
やっとぶつけた想いを、受け取ってもらえた瞬間
私を見つめて、笑ってくれた表情
“廉のケーキうまいよね！”って、
いつもいつも、本当に嬉しそうにしていたよね。
だめだ、忘れられない。
今更、自分の想いの深さを思い知った。
「………なぁ、泣かんといて。」
『、すみません、』
込み上げた感情が頬を伝う
永瀬さんが優しく、囁く
急いで涙を拭うけど、それでも溢れて、溢れてしまう。
「………あーもう、そんな顔しとったらうまいもんも台無しやん。」
『、ごめんなさい、本当に』
「あ、いや、さすがに俺そんな冷たないよ。冗談やから！冗談！！」
だから、笑ってよ。
そう言っているかのように、柔らかい雰囲気の永瀬さん
少しだけ、救われた気がした。
「………ええよ。気の済むまで泣いて」
永瀬さんが、私の横に腰を下ろす
溢れ続ける涙をそっと見つめながら、
何かを話すでもなく、彼はただ私に寄り添っていた。
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詩愛(プロフ) - zzzさん» いつもありがとうございます。いろいろな見方をしてくださっていて本当に嬉しいです…！恋っていいですよね、本当に。最終章も何卒よろしくお願いいたします♡ (2022年6月12日 14時) (
レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
zzz(プロフ) - 詩愛さん、こんにちは。第３章完結、お疲れさまでした。廉くんの一心な思いを受け入れてほしい！と思いつつ、岸君への感情をもち続ける主人公ちゃんの一途さにも心打たれたりして。恋する気持ちって甘酸っぱくてやっぱりいいな。最終章も楽しみにしてます。 (2022年6月5日 16時) (レス) @page50 id: f02299600f (このIDを非表示/違反報告)
伶奈(プロフ) - 詩愛さん» もちろん読まさせてもらいます！💕最後まで岸さんと主人公ちゃんの恋を見届けます♡ (2022年6月3日 17時) (レス) id: 7a01d9d841 (このIDを非表示/違反報告)
詩愛(プロフ) - 伶奈さん» コメントありがとうございます！いつも楽しみにしていてくださっているみたいで本当に嬉しいです…！最終章、公開いたしましたので是非読みにいらしてください♡ (2022年6月3日 13時) (レス) id: 3902959af9 (このIDを非表示/違反報告)
伶奈(プロフ) - このお話めっちゃ好きで続きが毎回気になるところで切られてて早く見たいってずっと思ってます！！次が最終章なのがちょっと寂しいですが最後まで岸さんと主人公ちゃんの恋を全力で応援したいと思います💕 (2022年5月26日 0時) (レス) @page50 id: 7a01d9d841 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩愛
| 作成日時：2022年4月13日 19時
